2008年6月 7日 (土)

キジバト  学校での子育て観察日記

名前 キジバト
分類 ハト科
生息地 平地(市街地~里山)から山地の林
私が出会った場所 日本中で出会っている

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 キジバトが枝に止まっている。毎日毎日、通勤途中見ている風景。しかし、そこに雪が加わると、一年に一度見ることができるかどうかという世界となる。

 さて、キジバトは日本中どこででも出会える鳥だ。私が住む関東地方では一年中見ることができる(ただし、北海道では夏鳥)。そんなキジバトも以前はヤマバト(山鳩)と呼ばれていた。かつてはキジバトは人里ではなく山の鳥だったのだという。

 キジバトが人里に進出してくれたおかげで、生徒と一緒にキジバトの子育てを観察することができた。私が顧問を務める演劇部の活動場所は校舎の2階にあった。そして、窓の外にはコナラの木が枝を広げていた。キジバトがそこに巣を作ったのだ。2000年の秋のことだ。私は子どもたちと一緒に観察し、その様子を日記に綴った。

2000年9月25日(月)
  キジバトの巣で雛がかえっていたそうだ。「先生、ハトの雛がかえってます」と2人の男子生徒が報告に来てくれた。演劇部員も何人か確認している。自分がいったときは親鳥がいて雛を見ることができなかった。明日確認したいと思う。無事に育つことを願う。

2000年9月27日(水)
 やっと雛を見ることができる。ただし1羽だけ。黄色い産毛が生えていてかわいい。
雛は2羽いるようだ。

2000年10月2日(月)
 雨であった。雛が雨に濡れないように親バトが雛にかぶさっている。雛はずいぶん大きくなった。もう親に隠れることはできない大きさだ。2羽ともよく見える。親バトの姿を人間と重ねている自分がいる。

2000年10月3日(火)
 親バトが餌を取りに離れたので二羽の雛をよく見ることができた。雛の背中には親と同じ模様の羽が生えはじめている。雛がかえってまだ一週間だというのに…。雛の成長の早さにびっくりする。
 巣を覗き込む生徒の数が増えている。みんなハトを驚かさないよう細心の注意を払っている。生命の営みに触れるという、最高の生命の教材がここにあると感じる。

2000年10月5日(木)
  親鳥が巣から離れていることが多くなった。「先生、大丈夫でしょうか」生徒が、親が子育てをやめたのではないかと心配している。これだけ雛が大きくなっては巣の中に親の居場所はない。成長の早さにびっくりする。休み時間になるとオープンスペースのこの窓をのぞく生徒が大勢いる。無事育ってほしい。

2000年10月10日(火)
 「雛がいなくなっています」。なんかとんでもないことが起こったというように、二人の生徒があわてて報告に来た。私は生徒と一緒に、駆け足でオープンスペースに向かった。確かに巣に雛がいなくなっている。今朝は確認しているのに…。そして、辺りを見回したら、いたいた、2羽とも巣の近くの枝にちょこんととまっていた。
 雛が巣立ったのだ。親は直接雛(雛といってももうかなり大きい)のところにやってきて餌を与えていた。
 もう、羽もすっかり親と同じ色になり、首の回りに黄色の産毛をかすかに残すだけだ。もう、体のサイズ以外は親と同じである。
 生徒は雛の生存を確認し、ほっとしている。そして「かわいいかわいい」を連呼している。とってもすてきなワンシーンがそこにあった。透き通った空気があたりを満たしていた。

2000年10月12日(木)
 親鳥も雛もいなくなった。うれしいような淋しいような。雛のいなくなった巣の中にコナラのドングリが一つ転がっているのが印象的だ。

 演劇の練習をしながら、毎日毎日雛の成長を見守ったこと、それが部員たちにとって最高の劇の練習になった。そして命を学ぶ場所ともなった。

撮影 埼玉県杉戸町

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2008年6月 4日 (水)

ツバメ  先生、燕がきました

名前 ツバメ(燕) 
分類 スズメ目ツバメ科
出現期 夏鳥として3月~
生息地 市街地から山地の開けた場所
私が出会った場所 埼玉県・久喜市、杉戸町、宮代町 他・日本の各地で出会っている

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 ツバメは他の夏鳥に先駆けて日本にやってくる。夏鳥の多くは4月から5月にかけて日本にやってくるが、ツバメは3月・春の訪れとともにその姿を見ることができる。

 ツバメに関係する物語はいくらでも存在する。
 例えばアンデルセンの童話「親指姫」(ツバメは助けてくれたお礼に、親指姫を南の国へと連れて行き、そこで親指姫は花の国の王子と結婚する)
  例えば、オスカー・ワイルドの童話「幸福な王子」(この童話ではツバメは悲しい最後を迎える)
例えば女性解放運動のリーダー平塚雷鳥と年下の奥村博史という画家との恋愛から生まれた「年上の女性の愛人である若い男性」という意味を与えられた若い燕という言葉。
 例えば巌流島の戦いで有名な佐々木小次郎の得意技・燕返し。更に、燕軍団ヤクルトスワローズの活躍などなど。

 さて、私は中学の教師である。中学の教師で自然が大好きな私には、ツバメが登場する宝物のような詩がある。丸山薫の「北の春」という作品だ。

      北の春 丸山薫

       どうだろう
     この沢鳴りの音は
     山々の雪をあつめて
     轟々と谷にあふれて流れくだる
     この凄じい水音は

     緩みかけた雪の下から
     一つ一つ木の枝がはね起きる
     それらは固い芽の珠をつけ
     不敵な鞭のように
     人の額を打つ
     やがて 山裾の林はうっすらと
     緑いろに色付くだろう
     その中に 早くも
     辛夷の白い花もひらくだろう

     朝早く授業の始めに
     一人の女の子が手を挙げた
     ――先生 燕がきました

               詩集『仙境』

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2008年5月31日 (土)

ムナグロ 遠方からのお客様

名前 ムナグロ(胸黒)
分類 チドリ科
出現期 関東では旅鳥 田んぼに水が入る頃やってくる
生息地 水田に多い
私が出会った場所 埼玉県・杉戸町、宮代町、春日部市(内牧サイクリングロード)【いずれも5月初旬から中旬にかけて】

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 鳥に興味がなかったときは存在さえも知らなかった。きっと目には入っていたのだろう。

 5月、田んぼに水が入るとこの鳥がやってくる。自宅から100メートルしか離れていない田んぼでこの鳥に出会える。短い滞在の後、この鳥は北へと旅立っていく。日本へは休憩に立ち寄るだけの旅鳥である。この鳥の名前はムナグロ。胸が黒から胸黒、単純でわかりやすいネーミングだ。

 この鳥、なんとオーストラリア周辺から日本に渡ってくるのだという。そんなこの鳥のドラマを知ると、この鳥に対して畏敬の気持ちが沸いてくる。

撮影 埼玉県杉戸町(5月中旬)

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2008年3月30日 (日)

カワセミ(翡翠)② お別れの日の思い出 その2  

名前 カワセミ(翡翠)
分類 ブッポウソウ目カワセミ科
生育地 平地から低山の河川・池など
私がであった場所 埼玉県・久喜市、杉戸町、宮代町、春日部市、寄居町、さいたま市など、その他日本の多くの場所でであっている。

カワセミ(翡翠)① 『やまなし』の世界

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 教員生活2校目の最後の日がやってきた。顧問である演劇部の最後の部活動に何がふさわしいか考えた。そして考えに考えた末、自然劇場と名付けた自然観察会を開催することにした。
 以前の自然劇場では何度もであうことができたカワセミ。ところがこの3年間は毎回ふれら、なぜかカワセミを一度も見ることができないでいた。そのためカワセミは部員達の憧れの鳥となっていた。そのためカワセミを見ることを目的に自然劇場を開催した。

 前日、今日の自然劇場を成功させるためにカワセミさがしに出かけた。まずはとっておきの秘密の場所に出かける。今までは百%の確率でカワセミを見ている場所だ。到着してすぐドボンという水音が聞こえる。音のする方を見るとカワセミが魚を加えて水の中から飛びだしてきた。そのカワセミがとまったところにはメスのカワセミが。
「明日、ここに来れば大丈夫」、そう確信した。

 集合は9:00学校の校門。「カワセミ見られますか」の質問には「うん、100%見られるよ」と自信を持って答える。そして早速目的地に、近道をしようとして道を間違え到着したのは10:30。カワセミは見あたらない。
 ダイサギ、コサギの白サギの仲間、カルガモ、オナガ、シメ、キセキレイ等々たくさんの鳥を見ることができるが、カワセミだけがどうしても出てくれない。実は自分自身の片づけもあるため、見られたらすぐ学校に戻るつもりでいたが、「カワセミを見たい」という部員達の強い気持ちを感じ、昼を食べた後もカワセミを待つことに。いつもは待ちの鳥見をしない自分だが、今日ばかりは…。

 午後は雨という予報であったが、幸い雨は降らずお日様も顔を出す天気に。しかし…。3:30になった段階で帰る決断をした。
 最後の自然劇場だっていうのに…。「目的の鳥が見られなくても楽しい、自然劇場はそうでなくてはいけない」と常日頃からいっている自分も今日ばかりはそこはかとなく淋しい。ここでの100%はその時なくなった。

 帰る途中一人の自転車がパンクした。みんなが交代でその自転車押して走った。そのため帰りは更に遅くなる。予期せぬドラマはそこから始まった。

 学校近くのロードレースのコースとして使っている砂利道の横に、少なくともきれいとはいえない堀が流れている。最後の望みを託して、その堀を望遠鏡で見てみる。コガモとカルガモがいた。キセキレイが川辺を歩いている。「キセキレイが奇跡を起こす」という冗談を言ったその時。
「チー」という鳴き声が聞こえてきた。
「カワセミ!」その鳴き声に条件反射で言葉が飛び出た。
遠く、堀の先の先からこちらに向かって1羽の鳥が水面すれすれを飛んできた。
カワセミだった。
カワセミは僕らの手前で急上昇し、背中のコバルトブルーをしっかりこちらに示した後、飛び去っていった。
部員全員がその姿を見ることができた。
歓声が上がる、何度も何度も拍手が起こる。こぼれる笑顔、笑顔、笑顔。

 あの時一人の生徒の自転車がパンクしなければ、もっと早くここを通り過ぎて見られなかったかもしれない。パンクしてくれてありがとう、そんな言葉も飛び出していた。こんな汚いところにカワセミがいるはずないと思ったら見ることができなかった。最後まで可能性を信じてよかった。脚本に書いたらいかにも作られたドラマとなってしまうようなこの状況。これが現実に起こるのだから人生って面白い。なんどもなんども見ようとしてみられなかったカワセミ。それがこんな形で最後の最後に現れるなんて。
彼/彼女らは今日のこの感動を死ぬまで忘れないだろう。これはけっして大袈裟な言葉ではない。

 自然はお別れに素敵なドラマをプレゼントしてくれた。自然を心から愛し続けてきたことへのご褒美だろうか。カワセミを見たときのあの笑顔を胸に、明日から新しい学校でがんばっていこうと思った。

撮影 さいたま市岩槻城址公園(本文の内容の日に写した写真ではありません)

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2008年3月15日 (土)

ウミネコ (海猫)  カモメが登場する映画

名前 ウミネコ(海猫)
分類 カモメ科
生息地・時期 全国の海岸で一年中
私が出会った場所 千葉県・銚子港、神奈川県・三浦海岸、茨城県・大洗海岸、福島県・いわき市 他・多くの港で

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 カモメは映画によく登場する鳥である。
 カモメが登場する映画で記憶に残っているものといえば、まずはヒッチコックの『鳥』
原作は『レベッカ』のダフネ・デュ・モーリア。
 ヒッチコックといえばサスペンス映画の巨匠。『鳥』は何の理由もなく鳥が人間を襲うという恐怖を描いた映画である(ヒッチコックでなければあれだけの素晴らしい作品とはならなかったであろう)。大襲撃への序章として、1羽のカモメが突然舞い降りてきてヒロインの額を傷つける。
 大ヒットアニメ『ファインディング・ニモ』にはカクレクマノミのニモにカモメの集団が襲いかかる。日本語版では「ちょうだい、ちょうだい」と連呼して、襲いかかっるのだが、英語で書かれたオリジナル脚本では「Mine, Mine」と連呼する。この響きはカモメの鳴き声に近く面白い。カモメのどん欲さがよく描かれていた。
 
 写真のカモメはウミネコ。撮影は銚子港。

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2008年2月23日 (土)

ユリカモメ わたしはかもめ

名前 ユリカモメ(百合鷗)
分類 カモメ科
生息地・季節 全国の港、河川でもよく見られる・冬鳥
私が出会った場所 埼玉県・杉戸町、久喜市、さいたま市、千葉県・谷津干潟、三番瀬、銚子港、その他、多くの港で 

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上の写真はユリカモメの冬羽。下の写真はユリカモメの夏羽。夏羽になると頭部が黒くなる。この変化を知らない人が見れば、別種の鳥。

カモメから世界が広がる。

『かもめ』という戯曲がある。私の愛する、アントン・チェーホフの代表作だ。この作品を演出したスタニスラフスキーは私が心の糧としている演出家である。
チェーホフの戯曲『かもめ』にはニーナという魅力的な女性が登場する。女優を目指すニーナは愛するトリゴーリンに捨てられ、次第に狂気を帯びるようになる。
終幕近くニーナの狂気は彼女にこんな言葉を語らせる。

「わたしはかもめ… いえ、そうじゃない、わたしは女優、そうよ!」

「わたしはかもめ」という台詞。わたしにはとても懐かしい響きであった。チェーホフの『かもめ』のこの台詞を読んだとき、わたしの頭に浮かんだのは、ボストーク6号に登場した世界最初の女性宇宙飛行士テレシコワの言葉ではなかった。この言葉にウルトラQの『地底超特急西へ』を思い浮かべていた。このドラマで人工生命第1号M1号が宇宙で語る言葉「わたしはかもめ」をわたしは記憶していた。この言葉の背景を知らなかったからこそ、そのナンセンスさが心に残った。わたしはまだ幼稚園児だった。

カモメから世界が広がる。

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2008年2月11日 (月)

ズグロカモメ 「白鳥の歌」若山牧水

名前 ズグロカモメ(頭黒鷗)
分類 カモメ科
生息地 干潟・河口
日本で見られる季節 冬鳥として飛来、九州以南ではよく見られるが、他の地域では少ない。
私が出会った場所 東京・葛西臨海公園 

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平成20年2月11日。葛西臨海公園に出かけた。とにかく今日はのんびりと鳥が見たかった。ただそれだけでよかった。初めて見る鳥に出合うことなど期待していなかった。しかし、出会いがあった。ズグロカモメ。ズグロカモメは頭黒鴎。ただ、冬の間は頭は黒くない。初めての鳥との出会いは、うれしいものだ。

若山牧水に「白鳥の唄」という詩がある。

白鳥は 悲しからずや
空の青 海の青にも
染まずただよう
 
幾山河 越えさりゆかば
さびしさの はてなむ国ぞ
きょうも旅ゆく
 
いざゆかむ 行きてまだ見ぬ
山を見む このさびしさに
君は耐うるや

  さて、この白鳥とは何だろう。「空の青 海の青にも 染まずただよう」という表現から、漂うようには飛ばないハクチョウではなく、海の上で漂うように飛ぶ白い鳥カモメであると推理できる。カモメは郷愁を誘う鳥である。寂しさの似合う鳥である。カモメの生態を知らなければ。

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2008年2月 3日 (日)

セグロカモメ  カモメと文学と物理学とのつながり

名前 セグロカモメ(背黒鷗)
分類 カモメ科
出現期 日本では冬鳥
生息地 海岸、港、河川
私が出会った場所 埼玉県・さいたま市岩槻地区、久喜市、杉戸町、東京都・谷津干潟、千葉県・船橋海浜公園、銚子港、茨城県・大洗海岸 他、冬の全国の港で

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 セグロカモメは私が住んでいる埼玉県杉戸町では冬に見られる鳥である。朝、ねぐらである海から川を遡ってくる。私は以前から印刷ミスのようについている、くちばしの赤い点が気になっていた。この赤い点の役割を、動物行動学者ニコ・ティンバーゲンが解明している。セグロカモメの雛は、餌をもらうためにこの赤い点をつつく。その信号を受け、親鳥は餌をはきもどし、雛に餌を与えるのだ。セグロカモメの雛は、嘴の縦の線と赤い点がの動きという信号刺激を頼りに親鳥を認識するのだ。このことを発見したティンバーゲンは動物行動学の研究でノーベル賞を受賞している。

カモメから世界が広がる。

 物理学において素粒子とは、物質の最小単位であり、現在その一つとして考えられているのがクォークである。そして、そのクォークという言葉は、20世紀を代表するイギリスの小説家ジェイムズ・ジョイスの長編小説『フィネガンズ・ウェイク』からとった名前である。
 作品の中に、鳥が「クォーク」と3度だけ鳴くシーンがあり、それと3種類のクォークをかけたのだという。その鳥はカモメであると説明している本があるが、本当にそうか自分で調べたわけではない。調べてみたい気もするが、『フィネガンズ・ウェイク』は「ジョイス語」と呼ばれる言葉で書かれているため、超難解といわれている本。柳瀬尚紀による全訳を文庫本でも手に入れることができるが、まだ挑戦には至っていない。

カモメは自然と物理学と文学をつなげてくれる鳥でもある。

撮影 埼玉県杉戸町古利根川 2月

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バン  雪の中

名前 バン
分類 ツル目 クイナ科
生息地 川岸、湿地など
私が出合った場所 埼玉県杉戸町・古利根川、久喜市 他 多くの場所で

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突然バンが現れた。独特の足を持っている。この鳥、ヤンバルクイナの仲間である。そこに雌が現れた。雪の中のカップル。絵になる一こま。

撮影 埼玉県・杉戸町

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カイツブリ  芭蕉が詠んだ浮巣をつくる鳥

名前 カイツブリ(鳰)
分類 カイツブリ科
生息地 河川、湖沼 関東地方では留鳥、北日本では夏鳥
私が出会った場所 日本中で出会っている

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 カイツブリは人相(鳥相)の悪い鳥だ。その愛想のない面構えが好きだ。雪のせいだろうか、いつもなかなか近づいてくれないやつが、近くまでやってきた。

 さて、カイツブリというと頭に浮かんでくるのが芭蕉の句。

五月雨に鳰の浮巣を見にゆかん 松尾芭蕉

 芭蕉の俳句の中でこの作品が優れているかどうかは別として、雨の中、鳰(にお…カイツブリのこと)の巣を見に行こうという芭蕉の気持ちに私の心は惹かれる。そんな意味で好きな俳句の一つである。

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 カイツブリは潜水が得意な水鳥で、上の写真のような浮き巣という水の上に浮かんだ巣を作る。浮かばせることによって水位の上昇によって巣が沈むことを防いでいる。

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カルガモ  かもさんおとおり

名前 カルガモ
分類 カモ科
生息場所 湖沼、河川、水田、海岸
私が出会った場所 日本各地で何度も

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 雪が降っていると、無性に出かけたくなる。近くの川に鳥を見に行った。カルガモ、いつでも必ず見ることができる、普通の鳥。そんな普通の鳥の存在を普通でなく感じさせる。雪はそんな魔力がある。

 そんな普通の鳥であるカモを描いたすてきな絵本がある。「かもさんおとおり」作・ロバート・マクロスキー。マクロスキーはこの絵本でコールデコット賞を受賞した。私は大学の時、絵本を学んだ。絵本が子供だましの世界ではないことを知り、絵本の世界に夢中になった。その時夢中になった絵本の一つがこの作品である。

 ボストンの町に住み着いたカモの親子の話。このカモたちが引っ越しをするとき、心優しいお巡りさんがその手助けをする。カモの目から見た、ボストンの町の描写が実に見事だった。

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撮影 埼玉県杉戸町

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2007年6月23日 (土)

イワヒバリ  高嶺の鳥

名前 イワヒバリ(岩雲雀)
分類 イワヒバリ科
生息地 高山の岩場、冬は低山から亜高山
私が出会った場所  白馬岳、八ヶ岳、横谷温泉(冬期)

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高山に行かなくてはなかなか見ることができない鳥がいる。そして、高山に行けばかなりの確率で見ることのできる鳥がいる。それがイワヒバリ。イワヒバリは人をおそれない。
何度も何度も目の前で見ることができた。

撮影 平成19年6月16日(土) 八ヶ岳

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2007年6月21日 (木)

ウソ

名前 ウソ(鷽)
分類 アトリ科
生息地・時期  夏期・亜高山から高山の針葉樹林、冬期・平地から低山の林。
私が出会った場所 夏期・八ヶ岳、立山 冬期・埼玉県・杉戸町、春日部市、蓮田市、秩父(羊山公園)、栃木県・日光、山梨県・蓼科、新潟県・臥牛山 他

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平成19年の冬はウソの当たり年だった。家の周りでウソを見ることができた。いつもならバードウォッチビギナーのあこがれの鳥ともなるのだが、この年に限っては「またウソだ」という声が聞こえてくる鳥であった。
冬には平地で普通に見られたウソは夏は高山の鳥である。
写真は八ヶ岳で出会ったウソ。私たちの住む杉戸町で出会ったウソは、どの山に向かったのだろう。八ヶ岳で、そんなことを思った。

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撮影 
上 平成19年6月 八ヶ岳
中 平成18年11月 宮代町 (亜種 アカウソ)
下 平成19年4月 臥牛山 (亜種 ベニバラウソ)

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2007年6月 6日 (水)

コヨシキリ 小さな歌い手

名前 コヨシキリ(小葭切)
分類 ウグイス科
生息地・時期 平地から山地の草原・湿原 夏鳥として渡来するが局所的。
私が出会った場所 埼玉県・渡瀬遊水池、新潟県・福島潟

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コヨシキリという鳥がいる。コヨシキリは小葭切、数では圧倒的に多いオオヨシキリ(大葭切)と比べ小柄である。
その小さな鳥が鳴いている姿は絵になる。

撮影 平成19年6月3日(日) 新潟県福島潟

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2007年5月27日 (日)

アカゲラ   美しいキツツキの争い

名前 アカゲラ
分類 キツツキ科
生息地 低山から山地の林(冬は平地の林でも見られる)
私が出会った場所 埼玉県・蓮田市(黒浜)、さいたま市(秋ヶ瀬、岩槻・槻の森公園)、栃木県・日光(小田代ヶ原、小倉山、竜王峡)、群馬県・小根山森林公園、長野県・戸隠森林公園、白馬山麓  その他日本各地で出会っている。

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アカゲラがけんかをしていた。

撮影 平成19年5月 戸隠森林植物園

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2007年5月26日 (土)

オオタカ   地元杉戸町で

名前 オオタカ(大鷹)
分類 タカ科
生息地・時期 平地から山地の林 私の住んでいる埼玉県では一年を通してみられる
私が出会った場所 埼玉県・杉戸町、久喜市、宮代町、春日部市、群馬県・多々良沼 他

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 最近オオタカを見ることが多くなってきた。様々な理由をつけることが可能だが、私は自然が豊かになってきたのだと思いたい。オオタカが生息できる環境が生まれているのだと思いたい。

 自作の戯曲『ときめきよろめきフォトグラフ』でオオタカを愛する少女を描いた。
オオタカの写真を誰にもいわずに撮り続けている少女。言えば変わり者と言われるため写真部の先輩にも言わない少女。
 この作品を上演した久喜中学校演劇部は関東中学校演劇コンクールで最優秀賞を受賞した。

撮影 平成19年5月 杉戸町

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カケス  青い羽根

名前 カケス
分類 カラス科
生息地・時期 夏期・低山から山地の林、冬期・平地および山地の林
私が出会った場所 埼玉県・杉戸町、春日部市(内牧サイクリングロード)、久喜市、さいたま市(槻の森公園、秋ヶ瀬公園)、日光(小倉山、戦場ヶ原) 他 日本の各地で出会っている

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カケスは青い鳥ではない。しかし、カケスの羽根の中にある青。
その青は美しい。

この美しい鳥に美しい鳴き声を期待してはいけない。カラスの仲間であるカケスの鳴き声は「ジェイ」。アメリカではこの鳥の仲間はJay(ジェイ)と呼ばれる。当然のことながら、その鳴き声から命名された。大リーグにブルージェイズというチームがあるが、blue jayはカケスの仲間の鳥である。妻とカナダを訪れたとき、このblue jayを探したが、残念ながら見ることはできなかった。

撮影 平成19年5月 裏磐梯

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オオルリ(大瑠璃)  青の歌声

名前 オオルリ(大瑠璃)
分類 スズメ目ヒタキ科
本州で見られる時期 4月~9月
生息場所 低山から山地の林、渓流や沢沿いに多い。渡りの時は平地の林にも現れる。
私が出会った場所 埼玉県・秋ヶ瀬(4月)、東京都・高尾山、栃木県・県民の森(ゴールデンウィークの前後で今まで100パーセント出会っている)、小倉山、湯滝・湯の湖周辺、塩原・渓谷遊歩道、群馬県・伊香保森林公園、福島県・裏磐梯、長野県・戸隠森林公園、白馬山麓、飛島 他 

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鳥を見始めたとき、一番見たかった鳥がオオルリ。
しかし、最初の一年どうしてもオオルリには出会えなかった。
メーテルリンクに『青い鳥』という戯曲があるが、私が青い鳥と聞いて真っ先に思い浮かべる鳥はオオルリである。

オオルリは私の戯曲『化鳥伝説』に登場する鳥である。この劇を上演する前に部員全員とこの鳥を日光まで見に行った。最初の上演の時は声だけでその姿を見ることはできなかった。2回目の上演の時は全員がその姿を見ることができた。
そんな意味で懐かしい鳥でもある。

撮影 平成19年5月 栃木県民の森

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2007年5月25日 (金)

ミソサザイ 鳥の歌

名前 ミソサザイ
分類 ミソサザイ科
生息地 山地から亜高山の渓流沿いの林
私が出会った場所 栃木県・日光東照宮裏、湯滝周辺、福島県・裏磐梯、長野県・戸隠森林公園、埼玉県・伊豆ヶ岳 その他多くの場所で

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 ミソサザイはスズメより小さな鳥である。しかし、その小さな体からは想像がつかないほどの素晴らしい声量で歌を歌う。そしてその歌声は、パブロ・カザルスへの連想に繋がっていく。

パブロ・カザルスは武器ではなくチェロという楽器を手に、独裁政治を行うフランコ政権と戦ったスペインの名チェリストである。
 95歳直前の1971年10月24日、カザルス最後の国際舞台となる「国連デー」記念コンサートが行われた。プログラムが終了した後、指揮台をおりたカザルスは、静かに客席に話しかけた。
 
 「これから短いカタルーニャの民謡を弾きます。私の故郷のカタロニアでは、鳥たちは平和(ピース)、平和(ピース)、平和(ピース)!と鳴きながら空を飛ぶのです」と。私は、繰り返されるピースの響きを聴いただけで涙してしまった。それほどすてきな響きを持つ言葉だった。いや、言葉というよりも音楽といってよいのかもしれない。

 そして彼は「鳥の歌」を演奏した。その演奏はうまいとか下手とかといったものを超越していた。カタロニア民謡である「鳥の歌」には様々な鳥の名前が読み込まれているという。その中にミソサザイも含まれている。ミソサザイの歌声は、私にカザルスの言葉そして「鳥の歌」の魂の震える演奏を思い出させてくれる。

撮影 上から 
日光・東照宮裏
裏磐梯 平成19年5月 
裏磐梯  〃

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2007年5月23日 (水)

マミジロ あこがれの鳥のとの出会い

名前 マミジロ(眉白)
分類 ツグミ科
生息地・時期 低山から高山にかけての林・夏鳥
私が出会った場所  戸隠森林公園

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 マミジロは夏鳥である。とんでもなく珍しいというわけではないが、15年以上バードウオッチングを続けている私が、どうしても出会うことができなかった鳥である。
 写真を見ればカラスに白い眉がついているだけの鳥ともいえるが、私にとっては特別なのである。そんな鳥に戸隠森林植物園でとうとう出会うことができた。

 今年の戸隠はどこに行ってもマミジロがいた。戸隠は何度も訪れている場所だが、マミジロは鳴き声のみで姿は少なくとも私の前には現さなかった(妻の前には現したのだが…)。ところが今回は…。またマミジロだと思うほどマミジロに出会えた。

平成19年5月21日(体育祭の振り替え休日) 戸隠森林植物園にて

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2007年5月 6日 (日)

キビタキ 黄に染まる森

名前 キビタキ
分類 ヒタキ科
生息地 平地から山地の落葉広葉樹林
私が出会った場所 埼玉県・さいたま市秋ヶ瀬(4月)、東京都・高尾山、栃木県・湯滝周辺、小倉山、県民の森、長野県・戸隠森林公園、白馬周辺、中軽井沢野鳥の森、福島県・裏磐梯 など他、多くの場所で

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キビタキは夏鳥。ブナの森でその黄はひときわ目を引く。
森にキビタキのさえずりが響く。ブナの森が黄に染まる。

私の劇には鳥をはじめとする命あるものが多く登場する。
私は劇の上演の前に上演する子ども達がその命と実際に出会うことを大切にしてきた。
以前、演劇部員と歩いた森を訪れ、一人で歩いた。
私の劇に出てくる鳥と子ども達との思い出に出会う旅だった。
子ども達はこの森でキビタキをはじめとするたくさんの鳥と出会った。
森で出会った自然を胸に、部員たちは舞台に立った。
舞台が終わり、万雷の拍手を浴び、みんなで声をあげて泣いた。

今はもう大人となった部員たちにとって、あの日はどんな思い出として残っているのだろう。

今だからこそ、聞いてみたい気がする。

撮影 平成19年5月3日 裏磐梯

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2007