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2008年5月31日 (土)

ムナグロ 遠方からのお客様

名前 ムナグロ(胸黒)
分類 チドリ科
出現期 関東では旅鳥 田んぼに水が入る頃やってくる
生息地 水田に多い
私が出会った場所 埼玉県・杉戸町、宮代町、春日部市(内牧サイクリングロード)【いずれも5月初旬から中旬にかけて】

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 鳥に興味がなかったときは存在さえも知らなかった。きっと目には入っていたのだろう。

 5月、田んぼに水が入るとこの鳥がやってくる。自宅から100メートルしか離れていない田んぼでこの鳥に出会える。短い滞在の後、この鳥は北へと旅立っていく。日本へは休憩に立ち寄るだけの旅鳥である。この鳥の名前はムナグロ。胸が黒から胸黒、単純でわかりやすいネーミングだ。

 この鳥、なんとオーストラリア周辺から日本に渡ってくるのだという。そんなこの鳥のドラマを知ると、この鳥に対して畏敬の気持ちが沸いてくる。

撮影 埼玉県杉戸町(5月中旬)

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コバノトンボソウ 蜻蛉に似た花

名前 コバノトンボソウ(小葉の蜻蛉草)
分類 ラン科ツレサギソウ属
花期 6月~8月
生育地 山地から亜高山にかけての日当たりのよい湿地
私が出会った場所 長野県・志賀高原四十八池(8月)、群馬県・尾瀬ヶ原(8月)

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 コバノトンボソウは小葉の蜻蛉草。小さい葉の蜻蛉に似た草という意味である。距と呼ばれる部分が後ろにぴんと跳ね上がっている。この跳ね上がりかたは、夏の暑い日、蜻蛉がおしりをあげてとまっている様子にそっくりである。絶妙なネーミングだと思う。

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 おしりをぴんと上げてとまるハッチョウトンボ。コバノトンボソウもハッチョウトンボも尾瀬ヶ原で見ることができる。

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2008年5月30日 (金)

モンシロチョウ 車のいろは空のいろ

名前 モンシロチョウ(紋白蝶)
分類 シロチョウ科
食草 アブラナ科の栽培種(キャベツなど)
出現期 3月~11月
生息地 日本全国のキャベツ畑など
私が出会った場所 埼玉県・杉戸町、久喜市、宮代町、春日部市 他 日本全国で普通

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 モンシロチョウは私が住んでいる埼玉県では最も普通に見られる蝶だ。春先この蝶が飛ぶのを見ると、ああ、春が来たんだなと感じる。モンシロチョウは埼玉県だけでなく日本全国に普通に見られる蝶だが、大昔に大陸からやってきた外来種だといわれている。小さくてかわいらしい蝶だが、集団で海を渡ることもあるという。

 小学校の国語の教科書に「白いぼうし」という作品があった。小学校6年間を通して特に印象に残る作品であった。「白いぼうし」はあまんきみこ作「車のいろは空のいろ」の8つの短編の中の一作で、空色のタクシーに乗っているタクシー運転手・松井さんが主人公だ。

「これはレモンのにおいですか?」
ほりばたでのせたお客の紳士が、はなしかけました。
「いいえ、夏みかんですよ」

 という印象的な会話でこの物語は始まる。
 車道のそばに白いぼうしが置かれているのに気づいた松井さんは、このままでは風が吹いて車にひかれてしまうと思い、タクシーから降りてぼうしを手に取る。すると、中からモンシロチョウが飛び出す。松井さんは男の子のために、田舎のお母さんが送ってくれた夏みかんを置いて、その上にぼうしをかぶせる。
 車に戻ると、おかっぱのかわいい女の子がシートに座っている。道に迷ってしまったようだ。そして、「菜の花横町」に位って欲しいという。松井さんは菜の花橋のことだろうと思いそこに向かう。ふと気がつくとバックミラーには誰もうつっていない。女の子は消えてしまった。そこは、小さな団地の前の小さな野原。そして、そこには白い蝶が、たくさん飛んでいた。そして、松井さんの耳に、こんなに声が聞こえてくる。

「よかったね」
       「よかったよ」
「よかったね」
   「よかったよ」

誰もいなくなった、空色のくるまのなかには夏みかんのにおいがかすかに残っていた。

「白いぼうし」に描かれた白い蝶はモンシロチョウだろう。私はモンシロチョウを見ると、この物語を思い出す。そして、昆虫少年だった小学生の私を思い出す。

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2008年5月29日 (木)

アサギマダラ  海を渡る美しい蝶

名前 アサギマダラ(浅葱斑)
分類 タテハチョウ科マダラチョウ亜科
食草 ガガイモ科キジョラン、イケマ
出現期 4月~5月に第一回目の発生その後、1~2回発生、その後長距離移動をする
生息地 市街地~高山帯
私が出会った場所 埼玉県・長瀞、東京都・高尾山(5月、9月)、栃木県・奥鬼怒(8月)、長野県・霧ヶ峰(8月)、志賀高原(8月)、烏帽子岳(8月)、群馬県・赤城山(8月)、四国・石鎚山(8月)  他

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妻と初めて登った山は四国の石鎚山だ。その石鎚山でこの蝶と出会った。

「きれいな蝶」
「うん、アサギマダラっていうんだ」

 それ以来、アサギマダラは二人にとっての思い出の蝶となった。平成2年の夏のことだ。アサギマダラは美しい蝶だ。黒と茶に縁どられた翅脈のまだら模様が、浅葱色に透き通ることから名付けられた。その響きが何とも心地よい。ほとんど羽ばたかずに舞い、その半透明の羽根の向こうに青空が透けて見える。夢のように舞うという形容がふさわしい蝶である。

 アサギマダラの撮影に初めて成功したのは、霧ガ峰。その当時は望遠レンズを持っていなかったため、少しずつ、少しずつ近づき息を止めて写真を撮ったことを覚えている。志賀高原では百を軽く超えると思われるアサギマダラの群れに出会った。そこはヨツバヒヨドリのお花畠だった。

 アサギマダラを探すなら、ヨツバヒヨドリの花。蜜を吸うことに夢中になっているときの撮影は容易である。

 さて、石鎚山でこの蝶に出会った頃は、アサギマダラが渡りをする蝶であるという認識はなかった。実は、アサギマダラが渡りをすることが発見されたのは1981年。それほど昔のことではないのだ。現在、この蝶にマーキングすることによって、渡りのルートを調べる調査が行われている。マーキングは羽の裏面に油性のフェルトペンで、個体を識別するためのマーク(自分の名前の略、採集地、日付)を書き込む。そして、その蝶を放す。この地道な調査によって渡りのルートが明らかになってきた。すごいことだと思う。

 この小さな蝶が、なんと2000キロをこえる旅をすることもあるのだという。この小さな体でどうしてそんな旅ができるのか。なぜこの蝶は生まれながらにして、どこに向かうべきかを知っているのか。アサギマダラは畏敬の念を感じずにはいられない美しい蝶である。

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2008年5月27日 (火)

ショウジョウバカマ  ショウジョウとは何か?

名前 ショウジョウバカマ(猩々袴)
分類 ユリ科
花期 4月~5月
生育地 山地の谷沿いや湿地
私が出会った場所 日光・戦場ヶ原、竜王峡、長野・戸隠森林公園、白馬山麓、新潟・角田山 他 山地のたくさんの場所で出会っている。

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ショウジョウバカマは私が二度に渡ってその名前の由来を間違えた花だ。はじめ私はこの花を耳で覚えた。そしてこの花はショウジョバカマだと思った。要するに、少女袴、少女がはく袴である。図鑑を見てこれがショウジョバカマではなくショウジョウバカマだと知る。漢字で書くと猩々袴。猩々がはく袴という意味であった。ここで私は第二のミスを犯した。私はオラウータンがはく袴という意味にとったのだ。要するに私はその当時、猩々=オラウータンだと思っていたのだ。

確かに、オラウータンは猩々という呼び方で呼ばれることがある。私は、猩々という動物をエドガー・アラン・ポーの作品『モルグ街の殺人』で知った。翻訳されたその作品に猩々という動物が登場する、そしてそれはオラウータンのことだと書かれていた。そのためショウジョウバカマという名前を聞いたとき、オラウータンの袴のことだろうと認識したのだ。今から考えれば、昔から日本に存在するショウジョウバカマにオラウータンが使われるなどということがある可能性があるはずがないのは、自明の理なのであるが。

 ショウジョウバカマの猩々は中国の伝説上の怪物・猩々のこと。人の言葉を理解し、酒を好むという。猩々の名がつく生き物としてショウジョウトンボがいるが、いずれもその赤い色から猩々の名前がつけられている。蛇足ではあるが、ショウジョウバエは赤さからではなく、酒を好むことから猩々の名前がついているのだという。

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2008年5月26日 (月)

ミゾソバ  風うつくしき日暮かな

名前 ミゾソバ(溝蕎麦) 別名・ウシノヒタイ(牛の額)
分類 タデ科
花期 7月~10月
生育地 平地から山地の水辺
私が出会った場所 埼玉県・杉戸町、久喜市、宮代町、春日部市 他 全国各地で出会っている。

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 ミゾソバは溝蕎麦。溝に生える蕎麦に似た草という意味である。別名ウシノヒタイ。これはミゾソバの葉の形が、牛の顔を正面から見た形に似ていることによる。

 ミゾソバは美しくかわいらしい花を咲かせる。ただ、夕暮れ時に見るこの花はまた違った趣を呈するのだ。俳句にミゾソバを詠み込んだ山口みちこはきっとその美しさに出会ったに違いない。

溝蕎麦の風うつくしき日暮かな  山口みちこ

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ハキダメギク 夕暮れ時に輝く花

名前 ハキダメギク(掃溜菊)
分類 キク科
花期 6月~11月
生育地 関東地方では道ばたに普通
私が出会った場所 埼玉県・杉戸町 他 道ばたに普通に見ることができる

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 大正時代、東京世田谷の掃き溜めで見つかったことから植物学者・牧野富太郎によって命名された。帰化植物で、ふるさとは熱帯アメリカ。

 教師である私の専門は英語だが、ある時、理科を教えることになったことから真剣に植物を学び始めた。そして、植物に興味を持ち、身近な植物の名を覚えていった。そんなときこの花に出会った。小さくてかわいらしい花だと思った。早速、植物図鑑で名前を調べて愕然とした。「ハキダメギク」。この花の本質を好きになれば名前など関係ないと言い聞かせても、どうしてもこの名前が、この花に対しての愛おしい気持ちを萎えさせた。そんな時 まど・みちおの詩に出会った。

◆ハキダメギク  まど・みちお

落し物を拾おうとして
かがんだ小母さんかなんかが
まあ!
と びっくりするのです
いきなり 目の前に
星でも みつけたように
そのへんの 道ばたや
畠のふちなどで…

でも 落し物をする人が
そんなに しょっちゅう
いるわけも ありませんから
ほんとは だれも気がつきません

いやな名前をつけられたまま
ひっそりと光っている
そんな米つぶほどの花のことなどは…

「ハキダメギク」という名前をつけられなけば、まど・みちおが取り上げることはなかったろう。そう思えば「ハキダメギク」という名も悪くはないかとも思う。

さて、小母さんがこの花を見つけたのはいつだろう。おそらく夕暮れ時ではないだろう。
もし、夕暮れ時だとしたら、その美しさといったら…

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2008年5月20日 (火)

アオスジアゲハ クラスの生徒との思い出となった蝶

名前 アオスジアゲハ(青筋揚羽)
分類 アゲハチョウ科
出現期 4月~10月
生息地 平地の公園~山地の広葉樹林
私が出会った場所 埼玉県・久喜市、杉戸町、東京都・高尾山 他 日本の多くの場所で出会っている 

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 アオスジアゲハは昔は出会うことが少なかった蝶だ。親戚の家に行ったとき初めて見た青の美しさ、その胸のときめきを私は今でも覚えている。しかし、うれしいことに最近はこの蝶に頻繁に出会えるようになった。原因はクスノキの並木道ができたこと。アオスジアゲハの食草はクスノキなのである。

 さて、これから語るのは、平成15年、私が一年の担任をしていたときの話である。クラスの生徒が羽化しそうな、羽根の色が透けて見えるアオスジアゲハのさなぎを教室に持ってきてくれた。私は、みんなが見られるようにそれを教卓の上に置いた。しかし移動教室で全員が教室を離れているうちにアオスジアゲハはさなぎから出ていた。誰もその羽化を見ることができなかった。休み時間まだ羽根が伸びきっていないアオスジアゲハをみんなで見た。他のクラスの生徒も見に来た。
 「羽化の時間が私の授業と重なったらよかったのに」と思った。そしたら一時中断して羽化を見たことだろう。

 私は、その蝶が飛びつ姿を生徒とともに見たかった。しかし、私は午後から埼玉県庁に出張しなければならなかった。後ろ髪を引かれる思いで教室を出た。

 翌朝、教室に入ると、黒板の隅にメッセージが書かれていた。

「先生、アゲハが1:30に飛び立ちました」

 そして、その下に飛び立つアオスジアゲハの絵が描かれていた。
生徒たちはみんなで飛び立つ様子を見たんだろうな。そう思った。すてきな一日が始まろうとしていた。

撮影 平成20年5月 久喜市青葉公園

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ナズナ  清少納言が認めた草

名前 ナズナ(薺) 別名・ぺんぺん草
分類 アブラナ科
花期 3月~4月
生育地 平地の草原、道ばた
私が出会った場所 埼玉県・杉戸町、久喜市、宮代町 他 全国各地で出会っている

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ひっそりかんとしてぺんぺん草の花ざかり  山頭火

 ぺんぺん草はナズナの別称。果実の形を三味線のバチにたとえた命名である。春の七種の一つで、日本では室町時代から七種粥に入れるようになったという。地味な花ではあるが、花に目を近づけて眺めてみると、一株のぺんぺん草の中に、花盛りが感じられる。「枕草子」第六十六段「草は」で、清少納言はおかし(趣がある)と思う草をいくつもあげている。なずなはそのうちの一つである。あげられている草花はどちらかというと地味なものばかりであり、その趣味とそれらを選ぶ感性は私の好みでもある。

 私は雪の日に見るなずなが特に好きだ。

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2008年5月10日 (土)

フモトスミレ 高貴な紫をまとった花

名前 フモトスミレ(麓菫)
分類 スミレ科
花期  3月下旬~5月中旬
生育地 山地
私が出会った場所 東京都・大塚山、埼玉県・子の権現、栃木県・塩原渓谷遊歩道

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山渓ハンディ図鑑「日本のスミレ」でフモトスミレは「地味ながらもハイセンスな逸品」と紹介されている。言い得て妙と感じた。私は、花の後ろ側の紫色にハイセンスさを感じる。はっとするような鮮やかな紫である。

撮影 平成20年4月 子の権現

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2008年5月 8日 (木)

ニオイタチツボスミレ  かお くっつけて しゃがんでた(まど・みちお)

名前 ニオイタチツボスミレ(匂立坪菫)
分類 スミレ科
花期 3月下旬~5月中旬
生育地 開けた草地、明るい落葉樹林下
私が出会った場所 栃木県・三毳山、東京都・裏高尾、神奈川県・大山

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前回の寫眞館「エイザンスミレ」で紹介した、まど・みちお作『すみれのはな』には続きがある。

すみれのはな まど・みちお 

きがついたら しゃがんでた
かお くっつけて しゃがんでた
すみれのはな
すみれのはな
それは ちいさな こもれびに
いっしょうけんめい さいてたよ

 私はこのスミレに出会うと、いつもしゃがんで顔をくっつけてみる。そのスミレの名はニオイタチツボスミレ。花にかすかな芳香があることで知られている。このスミレの花を知っている人の多くは、私と同じような行動をとるようだ。裏高尾で、このスミレの花に鼻を近づけている人たちと何度も出会った。

 悲しいことに私はこのスミレの花に匂いを感じたことがない。おそらく私が花粉症であることに関係があるのだろう。この花が咲く頃は私の花粉症の症状のピーク時に当たるからだ。私以外の人でも、このにおいを感じない人はいるようである。裏高尾で出会った人たちの、半分は「いい香り」と言って喜んでいたが、半分は「においがしない」と私と同じ感想を語っていた。

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2008年5月 6日 (火)

エイザンスミレ  ひとりぼっちでさいてたよ(まど・みちお「すみれのはな」)

名前 エイザンスミレ(叡山菫)
分類 スミレ科
花期 4月~5月
生育地
私が出会った場所 埼玉県・伊豆ヶ岳、栃木県・日光小倉山、県民の森、東京都・高尾山、御岳山、神奈川県・大山 その他多くの山で

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童謡『ぞうさん』で有名なまど・みちおに「すみれのはな」という私のお気に入りである詩がある。

    すみれのはな  まど・みちお

しらないまに いっていた
こんにちはって いっていた
すみれのはな
すみれのはな
それは さみしい やまみちに
ひとりぼっちで さいてたよ

 この詩を読んで、私が思い浮かべたのはエイザンスミレ。写真のように葉が深く裂けているので、見分けが難しいスミレの中でもこのスミレはかんたんに同定できる。もっと葉が裂けるヒゴスミレというスミレが存在するが、こちらはエイザンスミレと比べ見られる場所は局所的である。

 さみしいやまみちに ひとりぼっちで咲いているイメージにぴったりのスミレだと思う。

撮影 
上 埼玉県伊豆ヶ岳
下 栃木県県民の森

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2008年5月 3日 (土)

ハクサンチドリ 林間学校の思い出 その2

名前 ハクサンチドリ(白山千鳥)
分類 ラン科
花期 6月~8月
生育地 高山
私が出会った場所 群馬・至仏山、長野・岩菅山、八方尾根、千畳敷カール 他

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 前回の寫眞館「ギンリョウソウ」で林間学校の紹介をした。その時の林間学校でもう一つ、印象に残っている花がある。それはハクサンチドリ。出会った山は、志賀高原にある岩菅山。

 岩菅山は高山である。山登りが苦手な生徒達はへとへとになっていた。私は最後尾の生徒につき、生徒達を励まし励まし登った。花を紹介しながら、ゆっくりゆっくり登った。そして、頂上近くの難所のざれ場でハクサンチドリに出会った。美しい蘭の花をじっくり味わい、そしてなんとか頂上にたどり着いた。

 登山の後、夕食のバーベキューが美味しかったこと。そして、その後行われたキャンプファイヤー。
  暗闇の中に浮かび上がる炎、そして谷川俊太郎の「生きる」の詩が、闇と炎の中を静かな響きとして流れていく。炎がすべて消えた後、打ち上げられた花火の美しかったこと。実行委員達の目から涙がこぼれ、そしてその涙は波紋のように伝わっていった。

  あのとき「生きる」とともに読まれた、まど・みちおの詩「山のてっぺん」をあの当時の実行委員は覚えているだろうか。実行委員達が、この詩が今の私たちにぴったりと選んできた詩だった。

   山のてっぺん まど・みちお

ふもとの小川までおりてきて
ふりかえると
山のてっぺんは 空の中にまだ明るい

ほら あそこに
豆つぶみたいになって ぼくたちがいる
豆つぶなのに
あんなに よく見えて
さっきのままに 風にふかれて
まわりの山々や
とおい町や
町のむこうの海や
海のもっとむこうにかすむ明日へ
あんなに まぶしく手をふって

いつか また
あそこへ登っていく日のぼくたちを
あのまま ああして
待っているかのように

  この詩はあのときの自分たちにぴったりなのではなく、あのときから何年もの時が経過した今にぴったりなのではないかと思う。あの頃の私たちが、岩菅山の頂上で待っている気がする。あの頃の私たちに会ってみたいと思う。話してみたいと思う。

ハクサンチドリは思い出深い花だ。

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2008年5月 2日 (金)

ギンリョウソウ(銀龍草)② 林間学校での思い出 その1

名前 ギンリョウソウ(銀龍草 別名・ユウレイタケ)
分類 イチヤクソウ科ギンリョウソウ属
花期 5月~8月
生息地 山地のやや湿り気のあるところ
私が出会った場所 東京都・高尾山、栃木県・日光湯の湖周辺、塩原渓谷遊歩道、福島県・駒止湿原、長野県・志賀高原 他・多くの場所で出会っている

Img_1711re_3  この花を見ると思い出すのが、林間学校でのこの花との出会いだ。訪れた場所は志賀高原・岩菅山。当時、総合的な学習の時間などというものはなかったが、私は学活の時間を使い、下見で確認した鳥の鳴き声を教えたり、そこで見られる花を紹介するなどした。頂上克服を目指し、登り切ったはいいけれど、もう二度と山になど行きたくないというような根性重視の苦行僧的登山は行いたくなかった。

  事前の学習が功を奏し、生徒が目の前に現れる花や鳥に興味を持ってくれた。 
  黒地に白い星模様のついたホシガラスが現れたり、先頭を行く生徒たちから「カケスが出ました」という連絡が入ったりと、それはそれは楽しい登山だった。

  楽しみに満ちて頂上にたどり着いた後、下山途中で見つけたのがこの花・ギンリョウソウだった。一緒に歩いていたクラスの生徒はこの花の不思議さに魅せられた。この花を囲んで、この花の魅力を語る自分とその話に目を輝かせて聞きいる生徒たち。今・総合的な学習の時間で私が求めているのはこんな学びの姿勢だ。少なくとも教師→生徒という一方的な学びの場ではなかったのではないかと思う。この時一緒に花や鳥を楽しんだ生徒は、きっとこの後の山登りでも「この花なんだろう」などと考えてくれているはずだと私は思っている。

ギンリョウソウの花はあの頃を思い出させてくれる。

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