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2008年4月27日 (日)

スミレ(菫) アテナイのシンボルであった花

名前 スミレ(菫)
分類 スミレ科スミレ属
花期 4月~5月
生育地 日本全土の人家付近から丘陵まで
私が出会った場所 埼玉県春日部市、杉戸町、久喜市 他

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 スミレにはたくさんの種類がある。写真のスミレは、スミレの中のスミレ。
 人里に多く、「万葉集」にも登場するなど、古くから親しまれてきた花である。

 古代ギリシャではスミレはアテナイのシンボルであったという。アテナイ人は墓にスミレを供えた。また、ローマ人はその風習を継承し、スミレを墓に捧げに行く日を「スミレの日」と呼んだという。

 

 私は子どもの頃、野原で見つけたスミレを家に持ち帰り庭に植えた。その紫色の花が私を引きつけて放さなかったからである。スミレは枯れることなく、ずっとずっと庭の植えた場所で生きた。種もつけた。しかし、毎年知らず知らずのうちに種をつけているのだ。いつも気にしているのに、どうして花を見ることができないのかそれが不思議だった。大人になって閉鎖花の存在を知るまで。閉鎖花とは,花を開かずに,自分で種子を作ってしまう花。自宅の庭は条件が悪かったのか、スミレは花を咲かせず閉鎖花だけを作ったようだ。閉鎖花という存在を知らなかった私は、毎年、今年も花が咲いたのを見逃したと残念がったのであった。

  私が勤務している中学校の駐車場にスミレが咲いていた。今でも、子どもの時のようにスミレにときめきを感じることができることが嬉しい。

撮影 平成20年4月 久喜市

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ギンリョウソウ(銀龍草)① 『西の魔女が死んだ』で描かれた植物

名前 ギンリョウソウ(銀龍草 別名・ユウレイタケ)
分類 イチヤクソウ科ギンリョウソウ属
花期 5月~8月
生息地 山地のやや湿り気のあるところ
私が出会った場所 東京都・高尾山、栃木県・日光湯の湖周辺、塩原渓谷遊歩道、福島県・駒止湿原、長野県・志賀高原 他・多くの場所で出会っている

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昨日紹介した『西の魔女が死んだ』(梨木香歩 作)にはキュウリグサと共にもう一つ印象深い植物が登場する。主人公が林の中にある穴の中に落ちたとき、その植物が穴の中一面に咲いているのだ。その植物は物語の中で次のように表現されている。

◆穴の脇は更に深い洞のようになっていて、その一面に美しい銀色の花が咲いていたのだ。暗い林の奥の、そのまた暗い、ほとんど陽も届かないはずの場所に。その植物は二十センチくらいの、葉を持たない銀白色の鱗をつけた茎の先に、やはり銀細工のような小さな蘭に似た花をつけていた。それが何十本となく、まるで茸かつくしのように地面から生えているのを見るのは不思議な光景だった。

山の植物を少し知った人なら、この描写でこの花が銀龍草(ギンリョウソウ)だとわかるだろう。この小説の他の植物は片仮名で表現されているのに、このギンリョウソウは銀龍草にギンリョウソウというルビが振ってある。確かに漢字で表現したくなる素敵な名前の植物である。私の幻の森にふさわしい幻のような花だ。

撮影 2004年6月 駒止湿原にて

◆関連記事
キュウリグサ 『西の魔女が死んだ』で描かれた花 その1

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2008年4月26日 (土)

ハナイバナ  キュウリグサに似た花

名前 ハナイバナ(葉内花)
分類 ムラサキ科ハナイバナ属
生育地(分布) 日本全土の道ばた、畑、庭にごく普通
私が出会った場所 埼玉県・杉戸町、宮代町 他Img_3887

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 ハナイバナはキュウリグサと同じムラサキ科の植物。名前は葉と葉の間に花をつけることによる。キュウリグサ以上に味気ない名前ではあるが、キュウリグサとの違いを理解するにはよいのかもしれない。前回紹介したキュウリグサは、茎の先にサソリの尾の形に花を多数つける。

 3月から5月はハナイバナとキュウリグサのどちらも花を咲かせるので紛らわしい。6月になるとキュウリグサの花は終わり、ハナイバナのみが咲くようになり、ハナイバナはその後11月くらいまで花を見ることができる。

撮影 平成20年4月 埼玉県杉戸町

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キュウリグサ 『西の魔女が死んだ』に登場する植物

名前 キュウリグサ(胡瓜草)
分類 ムラサキ科
花期 3月~5月
生育地(分布) 日本全土の道ばたや庭
私が出会った場所 埼玉県・杉戸町、久喜市 他 日本の各地
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『西の魔女が死んだ』(梨木香歩 作)という小説は生命を扱った素敵な物語だった。この度、映画化されたようである。

この物語には、シジュウカラ、エナガ、コガラ、ホトトギス、ホオノキ、クサノオウ、カヤツリグサ…と、たくさんの生き物が登場する。それがどんな生き物か知らなくてもこの小説を楽しむことはできる。しかしその生き物が映像として浮かぶとき、この物語は更に面白さをますはずだ。

 主人公の少女はサンルームの床のれんがの隅に生えている小さな雑草に興味を持つ。そしてそのワスレナグサを小さくしたような青い花にヒメワスレナグサという名前を付ける。素敵な名前だ。この花の正式名がキュウリグサであることは最後で提示されるが、この物語に心を動かされた人はこのキュウリグサがどんな植物か知っておくといいだろう。もむとキュウリのような匂いがするというキュウリグサ(試してみたが、そういわれればキュウリの匂いという気もする、その程度の匂いだと私は感じている)、私の好きな花の一つでもある。都会、田舎に関わらず日本中の平地のどこでも見ることができる花だが、とても小さいのでこの花に目を止める人はほとんどいない。

 こんな可憐な花なのに、名前はキュウリグサ。ドナウ川の川辺で恋人のため花を摘もうとした青年が、川に落ち急流に飲まれる前に恋人に花を投げ「私を忘れないで」と叫んだことから名前がつけられたといわれるワスレナグサ(勿忘草)と比べるとかわいそうな気もする。『西の魔女が死んだ』は、このちっぽけな花に多くの人が目を向けるきっかけを作ってくれるかもしれない。そうなればいい。

※撮影 2008.4 埼玉県・杉戸町

◆関連記事 
ギンリョウソウ(銀龍草)① 『西の魔女が死んだ』で描かれた花 その2

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スジボソヤマキチョウ butterflyとバターとの関係

名前 スジボソヤマキチョウ(筋細山黄蝶)
分類 シロチョウ科
生息地 高原・林縁・渓流沿い
私が出会った場所 奥鬼怒

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蝶の英語名はbutterflyであるが、これはイギリスの博物学者がヤマキチョウをButter-colored Fly(バターの色をした昆虫)と読んだことに由来するという。
ルイス・キャロルのアリスの物語にはBread-and-ButterflyというBread-and-butterとButterflyを掛け合わせたキャロルの創造した蝶が登場するが、ButterflyにもともとButterの意味が含まれていたことをキャロルは知っていたのだろうか。

撮影 平成18年8月 奥鬼怒

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2008年4月 6日 (日)

カタクリ 紫色の怪しい文字

名前 カタクリ(片栗) 
分類 ユリ科・カタクリ属
生育地 低山林内
私が出会った場所 埼玉県・寄居町、栃木県・三毳山、東京都・高尾山、福島県・仁田沼、新潟県・角田山・臥牛山・弥彦山・樋曽山、長野県・白馬 他多数 

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 かたくりの一つの花の花盛り         高野素十

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宮澤賢治の『若い木霊』という作品にカタクリは登場する。多くの人にとってはカタクリは花を楽しむ植物であるが、賢治が注目するのはその葉だ。私はこの賢治の作品を読んで以来、カタクリの葉の模様も楽しむようになった。

  (若い木霊は)ふらふら次の窪地にやって参りました。 
その窪地はふくふくした苔に覆われ、所々やさしいかたくりの花が咲いていました。
  若い木だまにはそのうすむらさきの立派な花はふらふらうすぐろくひらめくだけではっきり見えませんでした。却ってそのつやつやした緑色の葉の上に 次々せわしくあらわれて又消えて行く 紫色のあやしい文字を読みました。
「はるだ、はるだ、はるの日がきた、」
  字は一つずつ生きて息をついて、消えてはあらわれ、あらわれては又消えました。
「そらでも、つちでも、くさのうえでもいちめんいちめん、ももいろの火がもえている」

紫色の怪しい文字から、世界を紡ぎ出す賢治に惹かれる。

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撮影 上から
     平成18年4月1日 樋曽山
     平成19年4月7日 角田山
     平成19年4月7日 角田山
     平成19年3月17日 三毳山
     平成19年3月17日 三毳山

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2008年4月 5日 (土)

オオミスミソウ(雪割草) みんな夢 雪割草が 咲いたのね

名前 オオミスミソウ(大三角草) 別名 雪割草
分類 キンポウゲ科・ミスミソウ属
生育地 平地~山地 日本海側に分布
私が出会った場所  新潟県・弥彦山、角田山、樋曽山(角田山の隣にある、登山口に案内さえ出ていない山)、臥牛山

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みんな夢雪割草が咲いたのね  
                三橋鷹女

鷹女のこの句が好きだ。鷹女が描いた雪割草に会うために、4月になると新潟の山々を訪れる。新幹線を使えば、新潟にあっという間に着いてしまう。そして、この美しい花と出会うことができる。青い花、ピンクの花、白い花そのグラデーションからなる雪割草のお花畑は美しい。その色のバリエーションの多さは不思議であり、その不思議が強烈な美を生み出している。

撮影 平成19年4月7日  角田山 
    平成20年5月     佐渡(一番下の写真)

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