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2008年3月29日 (土)

フデリンドウ  お別れの日の思い出

名前 フデリンドウ(筆竜胆)
分類 リンドウ科リンドウ属
生育地 平地から山地  
私がであった場所 埼玉県・蓮田市、春日部市、栃木県・竜王峡 その他

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 リンドウは秋に咲く花だと思っていた。しかし、日本には春に咲くリンドウが3種類あったのだ。その一つがフデリンドウ。

 この花を初めて認識したのは、忘れもしない教師となって初めて勤務した学校での最後の日。初めて教員になってから10年後の3月31日のことである。私は朝の新聞を見て愕然とした。なぜか毎年紹介されていた異動する教員が掲載されていないのだ。自分の異動を自分の口で私が顧問を務めている演劇部員に伝えるということはとてもつらく苦しいことだった、できれは部員が新聞を見てそこで知り、覚悟を決めて部活に来てほしかった。しかし…。登校してきた演劇部員は皆笑顔だった。
 そんな笑顔の生徒たちを集めて、異動の話をした。そして、何度も自然観察に訪れた黒浜沼に出かけることを提案した。
私のあとを継いでくれる顧問の先生のためにも、お別れ会的なしめっぽくて、後を引くような別れはしたくなかった。今後のしっかりした見通しも話し、部員達もちょっと安心し、笑顔での自然観察会が始まった。そんなとき、部員の一人が
「先生、この青い花なんですか」
と聞いてきた。それが、この花だった。
 私は、この年免許外で1年生の理科を担当したことから、学校周辺の草花を覚えた。そして、覚えているうちに草花に興味を持った。わからない草花を見つけると、すぐに理科の先生に聞き、それでもわからない時には図鑑で調べた。そうしてこの周辺の植物ならほとんどなんだかわかると言えるくらいになった。しかし、この花は何かわからなかった。外国からやってきた園芸種の野生化したものではないかなどとも思った。
「離任式で来る時までに、調べておくよ。これはみんなとの思い出の花になったね」
そして離任式のスピーチで宿題の答えを話した。
「君たちとの思い出となったあの花はフデリンドウでした」

「青い花」という小説で有名なノヴァーリスに次のような文章がある。

すべてのみえるものは、みえないものにさわっている。
きこえるものは、きこえないものにさわっている。
感じられるものは感じられないものにさわっている。
おそらく、考えられるものは、考えられないものにさわっているだろう。

好きな文章の一つだ。
その後私はフデリンドウを、急に目にするようになった。フデリンドウが急に増えたなどということはない。今までは目には入ってきていたのに、その映像をとらえていなかったのだ。「みえるもの」と「みえないもの」、それは 私自身 の世界が変わることで変わってくるものなのだと思う。
今の私がみえているものがさわっている、みえないものとはいったいどんなものなのだろう。

撮影 

上・埼玉県蓮田市
下・福島県いわき市

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