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2008年3月31日 (月)

コブシ 初めての担任・お別れ会・そしてコブシの花

名前 コブシ(辛夷)
分類 モクレン科モクレン属
花期 3月~4月
生育地 丘陵、山地
私が出会った場所 東京都・高尾山、群馬県・伊香保森林公園、長野県・戸隠森林公園
類似種との違い タムシバというコブシとそっくりの花を咲かせる気があるが、コブシはコブシは花の下に小葉がある。タムシバにはない。

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 コブシの花をみると思い出すことがある。
 それは教師になって初めて担任したクラスのことである。

 私のクラスは1年2組だった。初めての担任ということで、がむしゃらに生徒とぶつかった。ずいぶんへまもしたがたくさんの涙と笑いがあった。毎日、毎日が新鮮だった。

 終了式の前日の午後、クラスのお別れ会が開かれた。班の出し物、歌、ゲームなど生徒が企画したお別れ会。ゲームも生徒と一緒に参加した。罰ゲームなどもやらなければならなかったりした。そんなお別れ会の終盤、「これなーに?」というゲームが始まった。

 指名された数名の生徒が水槽の中にあるものを手で触って当てる。豆腐などはまだいい、ねばねばの納豆であったり生卵であったり、「うわー」という感じのゲームだった。そして「最後は先生お願いします」。みんなの盛大な拍手の中、拒否することができず私は目隠しをした。いったい、私はどんなものを触らなければならないのだろう。恐る恐る手を水槽の中に入れた、生徒の悲鳴のような叫び声が聞こえる。思わず手を引っ込めた。また、手を入れる。しかし、手は何も触れることができない。「もっと下、もっと下」と生徒たち。私を恐る恐る水槽の下まで手を伸ばした。いくら私が初めて担任をした若造の教師だとしても、ぱちんと手を挟むねずみとりのような仕掛けを試みたりはしないはずだと信じて。

  手は、何か薄いものに触れた。両手で形を確かめると、それは四角形のとても軽い何かだった。しかし、私が想像するものの中にどうしてもその物体と合致するものは存在しない。私は、降参した。目を開けると、私の手にあったものはメッセージカードだった。「先生、一年間ありがとうございました」と書かれていた。胸が熱くなって、そのカードを見つめて、ただ何も言わずに立っていた。生徒たちの顔は笑顔だった。

  驚きはそれだけでは終わらなかった。黒板に貼られている模造紙に書かれたプログラム。そのプログラムには中ほどに折りこんで隠されている部分があり、学級委員がその折り込みを伸ばすと、そこに「先生感動のコーナー」という文字が現れのだ。「なんだなんだ」とびっくりしていると、学級委員の男子が私へのメッセージを書いた原稿用紙を取り出して読み出した。

  その原稿用紙は前日、私が「初めての担任としての記念にするから、どんなことでもいいから書いて提出してくれ」と全員に渡したものだった。その気持ちに応えて、この日の朝、みんながみんな何枚もに及ぶ熱いメッセージを書いて提出してくれたのだった。しかし、絶対忘れるはずのないクラスをまとめ続けてきた男子学級委員だけが、「本当にすみません、家に置いてきてしまいました」といって提出しなかったのだ。まだ未熟だった私は、「なぜおまえが」とみんなの前で怒ってしまった。そのなぜが、一瞬にして氷解した。提出しないで怒られることまでも計算に入れて、こんなことを企んでいたんだ。涙があふれ、止まらなくなった。生徒も泣き出した、誇張ではなく、みんな泣いた。

 お別れ会が終わり、私は外に出た。私の目の前には学校のシンボルであるコブシが満開の花を咲かせていた。この当時の私は植物のことを全然知らなかった。コブシという木はこの学校に来て覚えた。夕日に輝く、コブシがまぶしかった。
 
 コブシの花をみると私はあの日のことを思い出す。

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2008年3月30日 (日)

カワセミ(翡翠)② お別れの日の思い出 その2  

名前 カワセミ(翡翠)
分類 ブッポウソウ目カワセミ科
生育地 平地から低山の河川・池など
私がであった場所 埼玉県・久喜市、杉戸町、宮代町、春日部市、寄居町、さいたま市など、その他日本の多くの場所でであっている。

カワセミ(翡翠)① 『やまなし』の世界

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 教員生活2校目の最後の日がやってきた。顧問である演劇部の最後の部活動に何がふさわしいか考えた。そして考えに考えた末、自然劇場と名付けた自然観察会を開催することにした。
 以前の自然劇場では何度もであうことができたカワセミ。ところがこの3年間は毎回ふれら、なぜかカワセミを一度も見ることができないでいた。そのためカワセミは部員達の憧れの鳥となっていた。そのためカワセミを見ることを目的に自然劇場を開催した。

 前日、今日の自然劇場を成功させるためにカワセミさがしに出かけた。まずはとっておきの秘密の場所に出かける。今までは百%の確率でカワセミを見ている場所だ。到着してすぐドボンという水音が聞こえる。音のする方を見るとカワセミが魚を加えて水の中から飛びだしてきた。そのカワセミがとまったところにはメスのカワセミが。
「明日、ここに来れば大丈夫」、そう確信した。

 集合は9:00学校の校門。「カワセミ見られますか」の質問には「うん、100%見られるよ」と自信を持って答える。そして早速目的地に、近道をしようとして道を間違え到着したのは10:30。カワセミは見あたらない。
 ダイサギ、コサギの白サギの仲間、カルガモ、オナガ、シメ、キセキレイ等々たくさんの鳥を見ることができるが、カワセミだけがどうしても出てくれない。実は自分自身の片づけもあるため、見られたらすぐ学校に戻るつもりでいたが、「カワセミを見たい」という部員達の強い気持ちを感じ、昼を食べた後もカワセミを待つことに。いつもは待ちの鳥見をしない自分だが、今日ばかりは…。

 午後は雨という予報であったが、幸い雨は降らずお日様も顔を出す天気に。しかし…。3:30になった段階で帰る決断をした。
 最後の自然劇場だっていうのに…。「目的の鳥が見られなくても楽しい、自然劇場はそうでなくてはいけない」と常日頃からいっている自分も今日ばかりはそこはかとなく淋しい。ここでの100%はその時なくなった。

 帰る途中一人の自転車がパンクした。みんなが交代でその自転車押して走った。そのため帰りは更に遅くなる。予期せぬドラマはそこから始まった。

 学校近くのロードレースのコースとして使っている砂利道の横に、少なくともきれいとはいえない堀が流れている。最後の望みを託して、その堀を望遠鏡で見てみる。コガモとカルガモがいた。キセキレイが川辺を歩いている。「キセキレイが奇跡を起こす」という冗談を言ったその時。
「チー」という鳴き声が聞こえてきた。
「カワセミ!」その鳴き声に条件反射で言葉が飛び出た。
遠く、堀の先の先からこちらに向かって1羽の鳥が水面すれすれを飛んできた。
カワセミだった。
カワセミは僕らの手前で急上昇し、背中のコバルトブルーをしっかりこちらに示した後、飛び去っていった。
部員全員がその姿を見ることができた。
歓声が上がる、何度も何度も拍手が起こる。こぼれる笑顔、笑顔、笑顔。

 あの時一人の生徒の自転車がパンクしなければ、もっと早くここを通り過ぎて見られなかったかもしれない。パンクしてくれてありがとう、そんな言葉も飛び出していた。こんな汚いところにカワセミがいるはずないと思ったら見ることができなかった。最後まで可能性を信じてよかった。脚本に書いたらいかにも作られたドラマとなってしまうようなこの状況。これが現実に起こるのだから人生って面白い。なんどもなんども見ようとしてみられなかったカワセミ。それがこんな形で最後の最後に現れるなんて。
彼/彼女らは今日のこの感動を死ぬまで忘れないだろう。これはけっして大袈裟な言葉ではない。

 自然はお別れに素敵なドラマをプレゼントしてくれた。自然を心から愛し続けてきたことへのご褒美だろうか。カワセミを見たときのあの笑顔を胸に、明日から新しい学校でがんばっていこうと思った。

撮影 さいたま市岩槻城址公園(本文の内容の日に写した写真ではありません)

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2008年3月29日 (土)

フデリンドウ  お別れの日の思い出

名前 フデリンドウ(筆竜胆)
分類 リンドウ科リンドウ属
生育地 平地から山地  
私がであった場所 埼玉県・蓮田市、春日部市、栃木県・竜王峡 その他

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 リンドウは秋に咲く花だと思っていた。しかし、日本には春に咲くリンドウが3種類あったのだ。その一つがフデリンドウ。

 この花を初めて認識したのは、忘れもしない教師となって初めて勤務した学校での最後の日。初めて教員になってから10年後の3月31日のことである。私は朝の新聞を見て愕然とした。なぜか毎年紹介されていた異動する教員が掲載されていないのだ。自分の異動を自分の口で私が顧問を務めている演劇部員に伝えるということはとてもつらく苦しいことだった、できれは部員が新聞を見てそこで知り、覚悟を決めて部活に来てほしかった。しかし…。登校してきた演劇部員は皆笑顔だった。
 そんな笑顔の生徒たちを集めて、異動の話をした。そして、何度も自然観察に訪れた黒浜沼に出かけることを提案した。
私のあとを継いでくれる顧問の先生のためにも、お別れ会的なしめっぽくて、後を引くような別れはしたくなかった。今後のしっかりした見通しも話し、部員達もちょっと安心し、笑顔での自然観察会が始まった。そんなとき、部員の一人が
「先生、この青い花なんですか」
と聞いてきた。それが、この花だった。
 私は、この年免許外で1年生の理科を担当したことから、学校周辺の草花を覚えた。そして、覚えているうちに草花に興味を持った。わからない草花を見つけると、すぐに理科の先生に聞き、それでもわからない時には図鑑で調べた。そうしてこの周辺の植物ならほとんどなんだかわかると言えるくらいになった。しかし、この花は何かわからなかった。外国からやってきた園芸種の野生化したものではないかなどとも思った。
「離任式で来る時までに、調べておくよ。これはみんなとの思い出の花になったね」
そして離任式のスピーチで宿題の答えを話した。
「君たちとの思い出となったあの花はフデリンドウでした」

「青い花」という小説で有名なノヴァーリスに次のような文章がある。

すべてのみえるものは、みえないものにさわっている。
きこえるものは、きこえないものにさわっている。
感じられるものは感じられないものにさわっている。
おそらく、考えられるものは、考えられないものにさわっているだろう。

好きな文章の一つだ。
その後私はフデリンドウを、急に目にするようになった。フデリンドウが急に増えたなどということはない。今までは目には入ってきていたのに、その映像をとらえていなかったのだ。「みえるもの」と「みえないもの」、それは 私自身 の世界が変わることで変わってくるものなのだと思う。
今の私がみえているものがさわっている、みえないものとはいったいどんなものなのだろう。

撮影 

上・埼玉県蓮田市
下・福島県いわき市

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2008年3月15日 (土)

ウミネコ (海猫)  カモメが登場する映画

名前 ウミネコ(海猫)
分類 カモメ科
生息地・時期 全国の海岸で一年中
私が出会った場所 千葉県・銚子港、神奈川県・三浦海岸、茨城県・大洗海岸、福島県・いわき市 他・多くの港で

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 カモメは映画によく登場する鳥である。
 カモメが登場する映画で記憶に残っているものといえば、まずはヒッチコックの『鳥』
原作は『レベッカ』のダフネ・デュ・モーリア。
 ヒッチコックといえばサスペンス映画の巨匠。『鳥』は何の理由もなく鳥が人間を襲うという恐怖を描いた映画である(ヒッチコックでなければあれだけの素晴らしい作品とはならなかったであろう)。大襲撃への序章として、1羽のカモメが突然舞い降りてきてヒロインの額を傷つける。
 大ヒットアニメ『ファインディング・ニモ』にはカクレクマノミのニモにカモメの集団が襲いかかる。日本語版では「ちょうだい、ちょうだい」と連呼して、襲いかかっるのだが、英語で書かれたオリジナル脚本では「Mine, Mine」と連呼する。この響きはカモメの鳴き声に近く面白い。カモメのどん欲さがよく描かれていた。
 
 写真のカモメはウミネコ。撮影は銚子港。

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