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2008年2月 3日 (日)

キジバト  学校での子育て観察日記

名前 キジバト
分類 ハト科
生息地 平地(市街地~里山)から山地の林
私が出会った場所 日本中で出会っている

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 キジバトが枝に止まっている。毎日毎日、通勤途中見ている風景。しかし、そこに雪が加わると、一年に一度見ることができるかどうかという世界となる。

 さて、キジバトは日本中どこででも出会える鳥だ。私が住む関東地方では一年中見ることができる(ただし、北海道では夏鳥)。そんなキジバトも以前はヤマバト(山鳩)と呼ばれていた。かつてはキジバトは人里ではなく山の鳥だったのだという。

 キジバトが人里に進出してくれたおかげで、生徒と一緒にキジバトの子育てを観察することができた。私が顧問を務める演劇部の活動場所は校舎の2階にあった。そして、窓の外にはコナラの木が枝を広げていた。キジバトがそこに巣を作ったのだ。2000年の秋のことだ。私は子どもたちと一緒に観察し、その様子を日記に綴った。

2000年9月25日(月)
  キジバトの巣で雛がかえっていたそうだ。「先生、ハトの雛がかえってます」と2人の男子生徒が報告に来てくれた。演劇部員も何人か確認している。自分がいったときは親鳥がいて雛を見ることができなかった。明日確認したいと思う。無事に育つことを願う。

2000年9月27日(水)
 やっと雛を見ることができる。ただし1羽だけ。黄色い産毛が生えていてかわいい。
雛は2羽いるようだ。

2000年10月2日(月)
 雨であった。雛が雨に濡れないように親バトが雛にかぶさっている。雛はずいぶん大きくなった。もう親に隠れることはできない大きさだ。2羽ともよく見える。親バトの姿を人間と重ねている自分がいる。

2000年10月3日(火)
 親バトが餌を取りに離れたので二羽の雛をよく見ることができた。雛の背中には親と同じ模様の羽が生えはじめている。雛がかえってまだ一週間だというのに…。雛の成長の早さにびっくりする。
 巣を覗き込む生徒の数が増えている。みんなハトを驚かさないよう細心の注意を払っている。生命の営みに触れるという、最高の生命の教材がここにあると感じる。

2000年10月5日(木)
  親鳥が巣から離れていることが多くなった。「先生、大丈夫でしょうか」生徒が、親が子育てをやめたのではないかと心配している。これだけ雛が大きくなっては巣の中に親の居場所はない。成長の早さにびっくりする。休み時間になるとオープンスペースのこの窓をのぞく生徒が大勢いる。無事育ってほしい。

2000年10月10日(火)
 「雛がいなくなっています」。なんかとんでもないことが起こったというように、二人の生徒があわてて報告に来た。私は生徒と一緒に、駆け足でオープンスペースに向かった。確かに巣に雛がいなくなっている。今朝は確認しているのに…。そして、辺りを見回したら、いたいた、2羽とも巣の近くの枝にちょこんととまっていた。
 雛が巣立ったのだ。親は直接雛(雛といってももうかなり大きい)のところにやってきて餌を与えていた。
 もう、羽もすっかり親と同じ色になり、首の回りに黄色の産毛をかすかに残すだけだ。もう、体のサイズ以外は親と同じである。
 生徒は雛の生存を確認し、ほっとしている。そして「かわいいかわいい」を連呼している。とってもすてきなワンシーンがそこにあった。透き通った空気があたりを満たしていた。

2000年10月12日(木)
 親鳥も雛もいなくなった。うれしいような淋しいような。雛のいなくなった巣の中にコナラのドングリが一つ転がっているのが印象的だ。

 演劇の練習をしながら、毎日毎日雛の成長を見守ったこと、それが部員たちにとって最高の劇の練習になった。そして命を学ぶ場所ともなった。

撮影 埼玉県杉戸町

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