スミナガシ 「いき」の世界に生きる蝶
名前 スミナガシ(墨流)
分類 タテハチョウ科
生息地・時期 樹林の周辺・5月~8月
私が出会った場所 東京都・高尾山
九鬼周造に『「いき」の構造』という著書がある。様々な「いき」について語られた名著である。いきな色については次のように語られている(抜粋)。
「いき」を表すのは決して派手な色ではあり得ない。「いき」の表現として色彩は二元生を低声に主張するものでなければならぬ。
「いき」な色とはいわば華やかな体験に伴う消極的残像である。(中略)温色の興奮を味わい尽くした魂が補色残像として冷色のうちに沈静を汲むのである。
「いき」な蝶は何かと問われれば、私は即座にスミナガシと答える。スミナガシは「墨流し」。水面に墨を流し、波状の模様をつくり、それを紙などに写し取るのが「墨流し」である。派手ではなく、それでいて地味でもない。まさに九鬼周造の「いき」の世界に生きる蝶である。
撮影 高尾山 平成19年7月
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