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2007年7月 3日 (火)

コハナグモ  芥川龍之介が描いた蜘蛛

名前 コハナグモ(小花蜘蛛)
分類 カニグモ科
出現期 6月~9月
生息地 平地から山地
私が出会った場所  埼玉県・杉戸町 他

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マツヨイグサに潜むコハナグモ。ハナグモ(花蜘蛛)の仲間は私に芥川龍之介の小説を思い出させる。「蜘蛛の糸」ではない、「女」という小品だ。「女」は次のように始まる。

      「女」 芥川龍之介

 雌蜘蛛は真夏の日の光を浴びたまま、紅い庚申薔薇の花の底に、じっと何か考えていた。
 すると空に翅音がして、たちまち一匹の蜜蜂が、なぐれるように薔薇の花へ下りた。蜘蛛は咄嗟(とっさ)に眼を挙げた。ひっそりした真昼の空気の中には、まだ蜂の翅音の名残りが、かすかな波動を残していた。
 雌蜘蛛はいつか音もなく、薔薇の花の底から動き出した。蜂はその時もう花粉にまみれながら、蕊の下にひそんでいる蜜へ嘴を落していた。
 残酷な沈黙の数秒が過ぎた。

 芥川龍之介はこの雌蜘蛛を「ほとんど悪それ自身のような、真夏の自然に生きている女」と表現する。「女」という小説には、雌蜘蛛から生を授かった小蜘蛛の誕生を含め、残酷であり、かつ尊い命が描かれていると感じる。ただ人間の女性は、この「女」という小説に何を感じるであろうか?この小説、「蜘蛛の糸」とは違い、教科書に採用されることはないはずだ。

撮影 平成19年7月1日(日) 杉戸町

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