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2006年9月30日 (土)

サシバ 鷹一つ見つけてうれし

名前 サシバ
分類 タカ科
生息地・時期 本州では夏鳥として飛来。低山から山地の林。渡りの時には平地の林でも見られる。
私が出会った場所 埼玉県・久喜市、春日部市(内牧サイクリングロード)…いずれも秋の渡りの季節に出会う、新潟県・松之山温泉  他

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鷹一つ見つけてうれし伊良湖崎

 松尾芭蕉が貞享4年(1687年)11月、伊良湖崎を訪ねたときに詠んだ句だという。 伊良湖岬は渥美半島の先端にあたり、数多くの渡りの鷹が通過するので有名な地である。多いときには数千羽が渡るという。その中でも特に数が多いのが写真の鳥、サシバ。
 鷹の渡りで有名な地で数千羽の鷹を詠むのではなく、たった1羽の鷹を詠んだところに、蝉時雨に静寂を感じることと同質の芭蕉らしさを感じる。

 サシバを自宅近くの森で見つけた。渡りの途中で立ち寄ったのだろうか。「鷹一つ見つけてうれし…」と、私もそんな気持ちになった。

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  撮影 平成18年9月30日  杉戸町にて

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2006年9月29日 (金)

ミズヒキ  水引と名づけられた理由 

名前 ミズヒキ(水引)
分類 タデ科タデ属
花期 8月~10月
生育地 日本各地の林ややぶの縁に普通
私が出会った場所 埼玉県・杉戸町、宮代町、栃木県・日光(小倉山) 他 日本各地で出会っている。

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ミズヒキを漢字で書くと水引。水引とは進物用の包紙などを結ぶのに用いる中央で染め分けされた紙糸のこと。祝事・進物用に使われる紅白のものが一番イメージしやすいパターンであろう。写真のミズヒキに水引という名前が付けられたのはこの花が上からみると赤く、下からみると白く見えることに拠ると言われている。洒落た命名である。

さて、なぜ上からみると赤、下からみると白く見えるのか。この花を近くで見るとその秘密が分かる。今までこの花をこんなに近くで見たことはなかった。

撮影 平成18年9月24日(土) 高尾山3号路にて

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2006年9月28日 (木)

ノガリヤス  日だまりの中で

名前 ノガリヤス(野苅安) 別名・サイトウガヤ
分類 イネ科ノガリヤス属
花期 8月~10月
生育地 山野の草地ややぶ
私が出会った場所 埼玉県・宮代町、栃木県・日光(小倉山) 他、日本各地で普通に出会える。

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ほとんど注目されることのないイネ科の植物。
私はそんなイネ科の植物を撮るのが好きだ。

ノガリヤスは野に咲く苅安の意味。苅安はイネ科ススキ属の染料植物。苅安は「刈り安い」の意味だという。別名はサイトウガヤ。斉藤茅ではない。漢字で書くと西塔茅となる。比叡山の西塔付近で初めて採集されたことから名付けられたらしい。

    撮影 平成18年9月24日(土) 日光・小倉山

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2006年9月27日 (水)

ヤマゼリ  野生の生け花  

名前 ヤマゼリ(山芹)
分類 セリ科
花期 7月から10月
生育地 山地の渓谷の縁や林下
私が出会った場所 栃木・日光(小倉山)

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森の中に花が生けてある。そんな感じがした。
ヤマゼリの白とミズヒキの赤のコラボレーション。美しい。

  撮影 平成18年9月24日(土) 日光・小倉

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2006年9月26日 (火)

ツルギキョウ 高尾山で出会った絶滅危惧種

名前 ツルギキョウ(蔓桔梗)
分類 キキョウ科ツルギキョウ属
花期 8月~10月
生育地 山地
私が出会った場所 東京都・高尾山

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高尾山で見慣れない花に出会った。同じキキョウ科のバアソブやツルニンジンと似ているが、ちょっと違う。それは初めて出会う花、ツルギキョウだった。高尾山の花図鑑には「高尾山で希少種」と書かれている。環境省も絶滅危惧種Ⅱ種に指定している珍しい花。高尾山で最も人通りの多い1号路に咲いていた。私がこの花に気づいたとき、この花に気をとめている人は一人もいなかった。それはこの花にとってよいことなのかもしれない。

高尾山は、いつ訪れても楽しい山である。

   撮影 平成18年9月24日(日) 高尾山1号路にて

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2006年9月22日 (金)

エルタテハ  エルとは何か?

名前 エルタテハ
分類 タテハチョウ科
出現期 7月~9月 成虫で越冬
生息地 山地の樹林周辺
私が出会った場所 長野県・志賀高原、福島県・姥湯温泉

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この蝶の名前はエルタテハ、不思議な名前である。エル=Lとは何か。 その答えは下の写真にある。

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羽の後ろにある模様の真ん中にある小さなLの模様が分かるだろうか。さてこの蝶、いつ頃からエルタテハと呼ばれるようになったのだろう。

平成18年8月12日 志賀高原にて

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2006年9月21日 (木)

キオビベッコウ  あまりに違う雄と雌

名前 キオビベッコウ
分類 膜翅目ベッコウバチ科
出現期 7月~9月
生息地 平地
私が出会った場所 埼玉県・杉戸町

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2種類の蜂が戦っているのだと思った。戦っていたという判断は正しかったと思う。しかし戦っていたのは2種類の蜂ではなくキオビベッコウの雄と雌だった。この雄と雌、長い間、別の種類と考えられていたようである。これだけ姿形が違えば違う種類と捉えられるのは当然だろう。なぜこんなに違った雄と雌が互いを認識しあえるのか。不思議だ。
この蜂と比べたら、人間の男と女は似ている。

ちなみに、このベッコウバチは昆虫にとって危険きわまりない蜘蛛を狩る蜂である。「ファーブル昆虫記」にはこのベッコウバチについての観察記録が紹介されている。

  平成18年 埼玉県杉戸町にて

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2006年9月20日 (水)

ママコノシリヌグイ  許される名前と許されない名前

名前 ママコノシリヌグイ(継子の尻拭い)
分類 タデ科タデ属
花期 5月~10月
生育地 日本全土の道ばた、林縁、水辺
私が出会った場所 埼玉県・巾着田  他

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ママコノシリヌグイとはおぞましい名前である。漢字で書くと「継子の尻拭い」。継子とは親子の血のつながりのない、実子でない子のことである。
写真をクリックして拡大してみてもらうと分かると思うが、この植物には鋭い棘がある。ようするに継子の尻をこの棘のある茎で拭くということからついたた名前だ。実に嫌な名前である。私がこの美しい植物の名前を変えるべきだと考えているのは、差別の響きのある言葉があまりにも露骨に使われているからである。

私は植物のイメージを損ねるどんな名前も変える必要があるなどとは思っていない。睾丸の古語であるふぐりを使ったオオイヌノフグリ、屁や糞の匂いがするヘクソカズラ、葉がくさい匂いのするクサギなどは可哀想な名前だと思う反面、是非残してほしい名前だとも感じる。そこには差別的な響きが存在しない。観察会でこれらの植物の名前の由来を紹介すると、それを知った人たちに笑いが生まれる。それは心地よい笑いの部類に入ると思う。しかし、ママコノシリヌグイはどうだ。私はこれを笑いとして紹介することは絶対にできない。紹介するときは怒りとともに紹介している。紹介していて楽しくない。

植物の名前は変えられないということはないようで、呼び方が変更された植物が高山植物などでは現在進行形の形で存在する。

こんな差別的な花の名はこの美しい植物にふさわしくない。名前を変えよう。すぐ変えよう。

 平成18年8月18日 埼玉県・巾着田

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2006年9月19日 (火)

ヒガンバナ 別名・マンジュシャゲ  赤、赤、赤の世界

名前 ヒガンバナ(彼岸花) 別名・マンジュシャゲ(曼珠沙華) 
分類 ヒガンバナ科ヒガンバナ属
花期 9月
生育地 田の畦や土手
私が出会った場所 埼玉県・久喜市、宮代町、巾着田(大群生することで有名)、他 日本の各地で普通に出会える

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雨の中に咲く曼珠沙華の花。美しい。
赤、赤、赤の世界がそこにあった。

曼珠沙華はを詠った詩はどれも妖しい。黄泉の世界と繋がっているような詩が多い。例えば、北原白秋の詩。

  曼珠沙華 北原白秋

 GONSHAN. GONSHAN. 何処へゆく。
 赤い御墓の曼珠沙華、
 曼珠沙華、
 けふも手折りに来たわいな。

 GONSHAN. GONSHAN. 何本か。
 地には七本、血のやうに、
 血のやうに、
 ちやうど、あの児の年の数。

 GONSHAN. GONSHAN. 気をつけな。
 ひとつ摘んでも、日は真昼、
 日は真昼、
 ひとつあとからまたひらく。

 GONSHAN. GONSHAN. 何故泣くろ。
 何時まで取っても、曼珠沙華、
 曼珠沙華、
 恐や赤しや、まだ七つ。

例えば昭和13年の歌謡曲「長崎物語」の1番

    長 崎 物 語 歌 谷 真酉美
           作詩 梅木三郎  作曲 佐々木俊一

  赤い花なら 曼珠沙華
  阿蘭陀屋敷に 雨が降る
  濡れて泣いてる じゃがたらお春
  未練な出船の あゝ鐘が鳴る
  ララ鐘が鳴る

例えば曼珠沙華を詠った俳句

 曼珠沙華抱くほどとれど母恋し         中村汀女
 まんじゆさげ月なき夜も蘂ひろぐ       桂信子
 まんじゆしやげ昔おいらん泣きました 渡辺白泉

私は、タンポポのような花にも惹かれるが、曼珠沙華にも魅力を感じる。

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   赤、赤、赤の世界に白も混じる。白花曼珠沙華も魅力的である。

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平成18年9月18日 埼玉県・巾着田にて

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2006年9月17日 (日)

ツユクサ ( 露草) つゆ草を花と思ふは誤りである

名前 ツユクサ(露草)
分類 ツユクサ科ツユクサ属
花期 6月~9月
生育地 日本全土の道ばた、草地
私が出会った場所 埼玉県・久喜市、杉戸町、宮代町 他、日本の各地で

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ツユクサの青は見事である。このような見事な青い花が、日本中のどこでも普通に見ることができるというのは幸せなことだと思う。徳富蘆花はツユクサを次のように表現した。

つゆ草、又の名はつき草、螢草、鴨跖(おうせき)草なぞ云つて、草姿は見るに足らず、唯二弁より成る花は、全き花と云ふよりも、いたづら子にむしられたあまりの花の断片か、小さな小さな碧色の蝶の唯かりそめに草にとまつたかと思はれる。寿命も短くて、本当に露の間である。然も金粉を浮かべた花蘂(かずい)の黄に映発して惜気もなく咲き出てた花の透き通る様な鮮やかな純碧色は、何ものも比ぶべきものがないかと思ふまでに美しい。つゆ草を花と思ふは誤りである。花では無い、あれは色に出た露の精である。姿脆く命色美しい其面影は、人の地に見る刹那の天の消息でなければならぬ。

             徳富蘆花 『みみずのたはこと』

ツユクサは露の草。俳人・飯田龍太は次のように詠う。

露草も露のちからの花ひらく

童謡『ぞうさん』の詩人まど・みちおにツユクサを詠った詩がある。

 ツユクサのはな まど・みちお

はねのように かるかったのか

あの はるかな ところから
おちてきて
よくも つぶれなかった
あおぞらの しずく

いまも ここから
たえまなく
ひろがっていく
なみの わが みえます

あの そらへの
とめどない おもいなのでしょうか

 なぜツユクサはこうも詩心を動かすのか。それは花のコバルトブルーの色彩によるものであろう。この色の正体はコンメリニンという色素。この色素の名前はツユクサの学名「コンメリナ」からとられた。このような美しい青色が出る理由については、古くから研究され、現在はマグネシウムが関係していることがわかっているようだ。

撮影 平成18年9月17日(日) 杉戸町

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2006年9月15日 (金)

ウスバキトンボ 素朴な疑問

名前 ウスバキトンボ(薄羽黄蜻蛉)
分類 トンボ科
出現期 4月~11月
生息地 平地や丘陵地の池、沼、水田
私が出会った場所 埼玉県・杉戸町

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ウスバキトンボは東南アジアの熱帯地方から海を渡って日本にやってくるトンボだそうだ。
日本で世代交代を繰り返し、北海道やカムチャッカまで北上するが、寒さに弱いため本州より北では全滅するという。「トンボ王国」( 杉村光俊・著 新潮文庫)、「トンボのすべて」( とんぼ出版)、「ヤマケイポケットガイト水辺の昆虫」( 今森光彦・著 山と渓谷社)等の本の紹介では、いずれも北へ北へと飛んでいくことが紹介されていてはいるが、途中で引き返すという記載は一切無い。それどころか、 越冬して生き残ったものは翌年また南に向かうという記述もある。同じ昆虫でもアサギマダラやオオカバマダラなどの蝶は、北に向かった後、故郷に向かって引き返す世代の蝶が生まれるのにこれはどういうことだろう。

すべてのウスバキトンボがただ北にだけ向かう本能を持っているとすると、ウスバキトンボはすぐに絶滅してしまうことになる。しかし、こんな素朴な疑問に答えてくれる本は今のところ存在しない。お盆の頃空を埋め尽くすほどに飛ぶことから精霊(ショウリョウ )蜻蛉とも呼ばれているようだが、私はその特徴が精霊のようだと感じる。
ウスバキトンボは謎である。

 平成18年9月10日(日) 杉戸町にて撮影

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2006年9月13日 (水)

ニホントカゲ 日本に青い爬虫類がいる

名前 ニホントカゲ(日本蜥蜴)
分類 トカゲ科
生息地 畑、庭、道路脇の斜面、石垣、山道など
私が出会った場所 栃木県・奥鬼怒、長野県・志賀高原、福島県・背戸峨廊、東京都・高尾山 他

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 多くの人たちがトカゲという名前と思っている爬虫類はトカゲの仲間のカナヘビである。トカゲという名の付いたトカゲは若い頃、写真にあるような美しい青い尾を持っている。この青は成長とともに消えていく。ただ、雌は青が消えるのが遅く、成体でも青い尾を持つものがある。トカゲはそのしっぽを切ることで有名である。この青は、敵の目を惹きつける役目があるようだ。敵の目をこの青に向けさせ、いざとなると自切して逃げるのである。

 子どもの頃、地元で一度だけ青い尾を持ったトカゲに出会ったことがある。もう40年も昔のことだ。40年前のことで今でも覚えていることは多くはないが、青い尾のトカゲとの出会いは鮮烈であった。 

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ひよいと穴からとかげかよ  種田山頭火

撮影

上 平成18年8月19日 奥鬼怒
下 平成18年9月24日(日) 高尾山1号路

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2006年9月10日 (日)

ツマグロヒョウモン 温暖化の証拠

名前 ツマグロヒョウモン(褄黒豹紋)
分類 タテハチョウ科
出現期 4月~11月
生息地 平地の草原など
私が出会った場所 埼玉県・杉戸町、久喜市、東京都・高尾山、千葉県・流山市 など

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 自宅近くでツマグロヒョウモンを見つけた。自宅近くでこの蝶を見るのは初めて。初めてこの蝶を認識したのは、屋久島の縄文杉を見に出かけたときのこと。林道でこの蝶に出会った。その時は、南の蝶に出会ったという印象であった。
 1985年に発行された「生物大図鑑昆虫Ⅰ」のツマグロヒョウモンの生息地の説明には「本州(中部以西)」と記されている。1999年に発行された「ヤマケイポケットガイド・チョウ・ガ」では「本州(三重県以西)」となっている。
 実は、ツマグロヒョウモンは温暖化に伴い生息域を北に広げている蝶なのである。

 自宅近くでこの美しい蝶に出会えるということはうれしいことでもあるのだが…、手放しでは喜べない複雑な気分である…。

※平成19年、ツマグロヒョウモンは埼玉県東部で、秋に最も普通に見られる蝶となっている。

撮影 平成18年9月9日(土)  埼玉県杉戸町(上♀ 下♂)

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2006年9月 7日 (木)

エノコログサ  地味な花の輝くとき

名前 エノコログサ(狗尾草) 別名 ネコジャラシ
分類 イネ科エノコログサ属
花期 8月~11月
生育地 日本全土の日当たりのよい道ばた荒れ地
私が出会った場所 埼玉県・久喜市、杉戸町 他・日本各地で出会っている

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エノコログサ。花全体を犬のしっぽに見立てて命名された。この花で猫をじゃらすことから、ねこじゃらしと呼ばれることもある。ちなみにこの仲間の英語名はFoxtail grass。イギリスではこの花は狐の尾に見立てられている。

イネ科の地味な花。
しかし、こんな地味な花が輝くときがある。夕映えのエノコログサは美しい。

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2006年9月 5日 (火)

モウセンゴケ 生と死の出会う場所

名前 モウセンゴケ
分類 モウセンゴケ科モウセンゴケ属
花期 7月~8月
生育地 山地から亜高山の湿地
私が出会った場所 栃木県・尾瀬ヶ原、福島県・宮床湿原、駒止湿原、吾妻連峰、長野県・志賀高原、 愛知県・葦毛湿原 他 日本の多くの湿原で見ている

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トンボがとまっているのではない、食虫植物であるモウセンゴケに捕らえられているのだ。
吾妻連峰の湿原でこのような風景を何度も目にした。
自然とは生と死が隣り合わせの場所である。
目を瞑って通り過ぎては本当の自然を語ることはできない。

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こちらはモウセンゴケの花。コケといっても苔の仲間ではない。

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こちらは、モウセンゴケの仲間・トウカイモウセンゴケの花。愛知県にある葦毛湿原で見ることができる。

撮影 上から

・吾妻連峰・藤十郎付近の湿原にて 平成18年8月27日
・志賀高原 8月
・葦毛湿原 8月

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2006年9月 4日 (月)

アキアカネ  空いっぱいの赤とんぼ

名前 アキアカネ(秋茜)
分類 トンボ科
生息地  平地から低山の池・沼・水田 
私が出会った場所 埼玉県・久喜市、杉戸町 他さまざまな場所で

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 夏、山で数え切れないほどの赤とんぼを見た。尾瀬も志賀高原も日光も吾妻連峰も、赤とんぼでいっぱいだった。

 その多くはアキアカネ。アキアカネは活動によって体温が気温より10℃から15℃高まるため暑さの厳しい平地では生きていけないらしい。そのため避暑のため山に移動する。そして秋になると赤く成熟してまた平地に戻ってくる。

 「赤蜻蛉」という有名な曲がある。作詞 ・ 三木露風、作曲・ 山田耕筰の名曲である。  その1番と4番で赤とんぼが歌われる。

 1 夕焼小焼の、赤とんぼ
    負われて見たのは、いつの日か

 4 夕焼小焼の、赤とんぼ
    とまっているよ、竿の先

「夕焼け小焼けの赤とんぼ」のフレーズで連想されるのは、アキアカネである。

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空を見上げた。空は赤とんぼでいっぱいだった。

    蜻蛉   島木赤彦

お庭が寒く
なつたのか
蜻蛉が揃つて
空をとぶ

夕日が空に
のこるのか
光は蜻蛉の
羽ばかり

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2006年9月 3日 (日)

ミヤマカラスアゲハ (深山烏揚羽) 飛ぶ宝石

名前 ミヤマカラスアゲハ(深山烏揚羽)
分類 アゲハチョウ科
生息地 山地の樹林帯
私が出会った場所 東京都・高尾山、栃木県・奥鬼怒(手白沢温泉)

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飛ぶ宝石。そんな形容が似合う蝶。
手白沢温泉の庭でみつけた。

「ヤマケイポケットガイド⑨チョウ・ガ」の著者、松本克臣さんは森の中で見るその姿を、「宇宙的」と表現している。メタリックな輝きを持つこの蝶に、ふさわしい形容だと思う。

撮影 2006年8月19日(土) 手白沢温泉

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2006年9月 2日 (土)

キゴシジガバチ (黄腰似我蜂)  謎に満ちたハチ

名前 キゴシジガバチ(黄腰似我蜂)
分類 膜翅目アナバチ科
出現の時期 7月~9月
生息地 平地
私が出会った場所 埼玉県・久喜市、杉戸町(いずれも道ばた)

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 NHKの「迷宮美術館」でキリコの特集が放送された際、キリコが敬愛したニーチェの「謎以外に、一体なにを愛せようか」という言葉が紹介された。
その言葉に触れたとき、ある蜂の姿が脳裏に浮かんだ。その蜂の名前はキゴシジガバチ。

 この蜂の黄色く彩られた腰を見るたび「謎」という言葉が空間を漂う。
どうして生きていられるのだろう。生命を維持していくためにはこの蜂の黄色い腰は細すぎるように思える。

 更に謎は続く。ジガバチの仲間はこれから生まれてくる子どものために狩りをする。この蜂の獲物はクモである。このひ弱そうな体のどこにクモを狩る知恵と力が隠されているというのだろうか。

 キゴシジガバチは「謎」である。謎以外に愛するものはないとまでは言わないが、キゴシジガバチの「謎」は愛すべきものである。

 撮影2006年8月16日 埼玉県杉戸町の公園

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2006年9月 1日 (金)

チングルマ  花の後の魅力

名前 チングルマ(稚児車)
分類 バラ科チングルマ属
生育地 高山帯の雪渓の縁、砂礫地
私が出会った場所  富山県・立山室堂、群馬県・至仏山、福島県・吾妻連峰

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チングルマの名前は花が終わった後の実が稚児がもつ風車に似ていることに由来している。稚児車(チゴグルマ)がチングルマと変化したようだ。田中澄江の「花の百名山」では黒部五郎岳の花としてチングルマが選ばれている。しかし、そこにはチングルマの花の記述はない。描かれているのは花が終わった後のチングルマの姿である。

真夏の黒部五郎の谷はミヤマヨツバシオガマの赤や、コバイケイソウの白、シナノキンバイの黄で埋まり、チングルマの花は早や早やと散って、花柱が伸びて羽毛のように空にむかってそよいでいた。そのさかんな姿を見ながら、この氷河のあとを残す谷には、たった一人、はるばると辿り着いて、力尽きて倒れ死んだひとが、千年二千年の昔からたくさんいたのではないか。氷河期のそれ以前からもと思い、その埋もれた遺骸を吸って、こんなにも花々が、いろ鮮やかに美しいのではないかと思われてならなかった。 (「花の百名山」 田中澄江 著)

夕陽を浴びた花を終えたチングルマの群落に出会った。チングルマ、その花も好きだが、花の後はもっと好きである。

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撮影
1枚目 平成18年8月26日(土) 西吾妻山
2枚目 平成18年至仏山
3枚目 千畳敷カール(チングルマの花)

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