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2006年5月 6日 (土)

ヒメギフチョウ 緑玉髄(クリソプレーズ)」の卵

名前 ヒメギフチョウ(姫岐阜蝶)
分類 アゲハチョウ科
生息地 ウスバサイシンの生育する林
私が出会った場所 白馬周辺

Exmg3004

ヒメギフチョウは数日前紹介したツマキチョウと同じスプリング・エフェメラル(春の束の間の命)の仲間である。 Dscf1391himegifujpg1

ウスバサイシンの葉にヒメギフチョウが産み落とした卵は宝石だ。私は澤口たまみがヒメギフチョウの卵の美しさについて書いていたことを思い出し、自宅に帰ってからその著『虫のささやき聞こえたよ』を読み返した。彼女はヒメギフチョウの卵との出会いを次のように記している。

◆「この美しさには、どこかで出会ったことがある」と感じた。それは、やはり春の山でいっせいに顔を出す、カラマツの新芽である。これを岩手の詩人.宮澤賢治は、その詩「小岩井農場」の中で「から松の緑玉髄(クリソプレーズ)」と表現している。緑玉髄とは石英の仲間の玉髄(キャセルセドニー)いう鉱物に、酸化ニッケルが含まれたもので、きれいな緑色をして飾り石に使われるという。いかにも、鉱石に詳しい宮澤賢治らしいたとえである。「これらのからまつの小さな芽をあつめ、わたくしの童話をかざりたい」とも言う、その表現を借りるならば、ヒメギフチョウの卵もまた、「緑玉髄」にほかならないのだった。
 “後に、私はヒメギフチョウの卵や、カラマツの新芽が持っていた美しさの正体を、知ることができた。そのヒントとなったのは、古代日本で卵のことを表した「かいこ」

という言葉である。「かいこ」とはとは、殻子あるいは貝子とも書き、殻を持ったものをさすが、折口信夫によれば、「成長する生命力をぴったりと内部に包んで、これを堅い殻で密封するもの」を意味するという。ヒメギフチョウの卵や、カラマツの新芽が持っていた美しさとは、その内に秘められた「これから成長しようとする生命力」だったに違いない。◆

※左写真・ウスバサイシンに産卵するヒメギフチョウ。ヒメギフチョウはまだ葉が開く前のウスバサンシンに産卵する。胴が短いために葉が開いてからでは産卵ができないらしい。

Dscf1393himegifujpg1_1

これから成長しようとする生命力が作り出す美しさ、素敵な発想だと思う。教師として大切にしたい言葉だ。

撮影 平成18年5月4日(木) 白馬周辺

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