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2006年5月 2日 (火)

ヤマツツジ 泉鏡花の世界に誘う花

名前 ヤマツツジ(山躑躅)
分類 ツツジ科
生育地 山地
私が出会った場所 栃木県・那須、日光霧降高原、戦場ヶ原、八方ヶ原、長野県・八ヶ岳  他

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 泉鏡花に『龍潭譚(りゅうたんだん)』という小説がある。鏡花の物語世界の中でも特に好きな作品である。

 『龍潭譚』はツツジの丘で遊んでいた少年が、幻想の世界に誘い込まれ、幻想と現実の間のせめぎ合いを経て現実世界へと戻ってくるといった幻想潭である。

 主人公の少年は躑躅(つつじ)の丘でハンミョウという美しい昆虫に出会い、そのハンミョウに顔を刺される。そしてそれが異界をさまようきっかけとなる出来事となる。鏡花はそのハンミョウを「毒虫」として描いている。前回、前々回の寫眞館で紹介したとおり、実はハンミョウには毒はなく、毒があるのはハンミョウに似た前述したツチハンミョウである。

『私がこの作品を気に入っているのは、「行く方も躑躅(ツツジ)なり、来し方も躑躅なり」という躑躅の丘の表現があまりに見事だという理由による。

◆両側つづきの躑躅の花、遠き方は前後を塞ぎて、日かげあかく咲込めたる空のいろの真蒼き下に、彳(たたず)むはわれのみなり。

◆ゆう日あざやかにぱつと茜さして、眼もあやに躑躅の花、ただ紅の雪の降積めるかと疑はる。

躑躅にもいろいろあるが、ヤマツツジやレンゲツツジのオレンジが幻想へ導く色としてふさわしく思われる。満開の躑躅に囲まれて、その中を一人歩けばそのあまりの美しさに恐ろしさを感じることであろう。

撮影 5月 八方ヶ原

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◆ホームページ →幻の森

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