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2012年11月18日 (日)

『ふるさと』上演の手引き

 私は七つ森という架空の場所を舞台にした、子どもたちのドラマ創りをライフワークとしています。『ふるさと』はシリーズ十三作目に当たる作品です。ただ今回は七つ森ではなく、七つ森の中にある二つ森が舞台になっています。

 数年前に自作を上演してくれた学校の一つが、東日本大震災で津波の被害にあったことを知りました。その学校の惨状を写真で見て、胸が締めつけられました。そして、自分自身に問いかけました「自分に何かできることはないだろうか。自分だからこそできることはないだろうか」と。そして、辿り着いたのが『ふるさと』です。『ふるさと』は被災地の中学生が上演したときに、自分たち自身が元気になれる劇というコンセプトで創りました。

 『ふるさと』は古川里美(=ふるさと)が転校してきたことで、故郷を嫌いだった子どもたち全員が故郷を好きになる話です。内容に震災をイメージさせる部分はあえて入れませんでした。ただただ「あったかい劇になればいい」という思いを胸に創りました。

 『ふるさと』は机とイスがあればどこでも上演できる劇です。教室でも体育館でも、校庭ででも上演することが可能です。音響設備は必要ありません。場面転換では子どもたちが生で歌う『ふるさと』がバックミュージックとなります。照明は最後の場面の夕日だけ入れてください。ただし、照明設備がない教室等での上演では、夕日にこだわる必要はないでしょう。夕日の照明がなくても、観客の心の中に夕日は映し出されるはずです。その他の場面では照明を変えないことの方が効果的と考えています。暗転はありません。

 この劇は様々な上演形態で発表することができます。演劇部はもちろん、学級劇、学年・学校劇としても上演できます。演劇部で上演するときは、キャスト自らがコーラス隊となります。学級劇や学校劇ではキャストとコーラス隊を分けてもよいでしょう。学校劇ではラストは学校全体の『ふるさと』の合唱となり、うねりのような感動を生み出すことでしょう。私が演出した際は『ふるさと』の合唱をアカペラの三部合唱で行いました。楽譜は中学校の音楽の教科書に掲載されています。アカペラの三部合唱はとんでもなく難しいハードルではないと思います。音楽の先生の協力を得るなどして、すてきな合唱を生み出してください。ただ、歌は斉唱でもかまいません。

 小学五年生の物語にしたのは、圧倒的に女子部員が多い中学校の演劇部を念頭に置いて作成したからです。私は中学生の女子が中学生の男子を演じる表現に違和感を感じることがあります。それで女子が男子を演じても違和感がない小学生を登場人物に選んだのです。男子部員が複数いる演劇部や男子が男子を演じることができる学級劇、学年・学校劇での上演では、登場人物を中学二年生に変更していただいて結構です。

 主人公の関西弁は、他の地方の方言(九州弁・東北弁等)または標準語に変更してもかまいません。他の登場人物の言葉も同様です。どうぞ、故郷の言葉を使ってください。

 子どもたちが客席に背を向ける形で着席するように机とイスを配置したのは、登場人物の心の中の観客が実際の観客と重なることを表現するために、その形式が最良と考えたからです。劇中に登場人物達が自分の心の中にいる観客の存在を感じ、振り返って客席を見つめる場面があります。あの場面で、実際の観客は自分たちが登場人物の心の中の観客でもあることを意識するはずです。そして、自分たちも『ふるさと』という劇の登場人物の一人として劇に参加している気分になるはずです。「観客に背中を向けてはいけない」などといった制約は取り払い、観客に背中を向けることを恐れず演じてください。実際には背中を向けて演じる場面はそれほど多くないです。

 『ふるさと』を創ろうと決心した背景には東日本大震災があるのですが、そのような思いとは全く別の思いで上演することも可能です。いじめを考える劇として上演してもらっても結構です。友情・仲間・絆を考える劇として上演してもらっても結構です。上演するそれぞれの方がそれぞれの思いで上演していただければと思います。

 わたしのライフワークである「七つ森ワールド」に興味がある方は、斉藤俊雄が管理人を務める「七つ森」(http://homepage2.nifty.com/oo-ruri/)を訪問してください。お待ちしております。

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