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2011年11月 5日 (土)

笑いについて考える  「ハゲとハナゲ」~『七つ森』後書きから

『怪談の多い料理店』はオムニバス形式の6つの怪談からできている(ただ第6話ですべて20080726の怪談が繋がる)。その第2話は『トイレの鼻毛さん』。実はこの作品は自己内対話を重ね、最終的に怪談の一つとして組み込むことにした作品である。作品集第2集『七つ森』の後書きにそのことを対話形式で載せた。ハゲとハナゲの違いをいかに意識しているか。それが私の笑いに対してのスタンスの一つだ。

◆◆◆
知輝 第二話の『トイレの鼻毛さん』は、ふざけて書いたのかと思いました。
斉藤 とんでもない。僕は笑いを意図したシーンを見ると、作者のまなざしがわかるって考えている。だから、大まじめで書いたんだ。
知輝 作者のまなざしですか。
斉藤 ある人にとっては「ハゲ」という言葉は、笑いなんだよ。だから、「ハゲ」とう言葉で笑いをとろうと考えてしまう。学校現場でもそんな悲しい笑いに出合うことがある。もちろん「ハゲ」と言って人を馬鹿にする人を、今後僕が描くことはあるかもしれない。でも、僕の劇ではそのシーンが笑いに繋がることはない。
知輝 でも鼻毛の長い少女は笑いですよね。
斉藤 正直なところ、笑いとして取り上げていいかどうか迷ったんだよ。僕は熟考の末、鼻毛の長い女の子を笑いとして採用したんだ。
知輝 ハゲも鼻毛も身体に関係することですよね。ハゲは笑いにしてはだめで、鼻毛は笑いにしてもいいと考えたのはなぜですか。
斉藤 ハゲとハナゲ、一文字違いだけど、この違いが大きいんだ。ハゲのある人は好きではげている訳じゃないだろ。できればそこに毛があってほしいと思っているはずさ。そんな、人が気にしている身体的特徴を笑いにするっていうのは、弱者をいじめる笑いにつながるだろ。それじゃ、鼻毛はどうだろう。鼻毛さんは自分で鼻毛を伸ばしているんだ。切ろうと思えば切れるのに自分の意志で伸ばしているんだよ。
知輝 すごい人ですね、それ。
斉藤 人っていうより、妖怪なんだけどね。おそらく世の中に鼻毛をおしゃれって考えて伸ばしている人はいないよね。だから、同じ身体に関することでも鼻毛は笑いに使っていいって考えたんだ。
知輝 結局のところ、先生はどんな笑いが好きなんですか。
斉藤 一言で言えばナンセンスな笑いかな。
知輝 美術室で突然縄跳びを始める山姥とか。
斉藤 僕にとって、とってもわくわくする世界だね。
◆◆◆

写真 チシマギキョウの花の中には毛が生えている。植物の花毛さんだ 撮影場所 千畳敷カール)

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