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2008年1月 3日 (木)

『春一番』~完成に至るまでの読書~

 『春一番』を書き上げるまでに、十代の少年少女を描いた小説や漫画を読んだ。中学の教師である自分が、毎日のように接している十代の少年少女たち。しかし、その少年少女達を表現することはやさしいことのようでいてやさしくはない。私は、彼ら・彼女らが小説や漫画でどのように表現されているかに興味があった。創作の参考にするために読んだ本は次の通り(題材として十代とは関係ないものも含まれる)。

「カラフル」 森絵都
「宇宙のみなしご」 森絵都
「つきのふね」 森絵都
「アーモンド入りチョコレートのワルツ」 森絵都
「永遠の出口」 森絵都
「リズム」 森絵都
「DIVE!!」 森絵都
「黄色い目の魚」 佐藤多佳子
「一瞬の風になれ 第一部 イチニツイテ」 佐藤多佳子 …彼女の小説はどうも私の心に溶け込んでいかない。第一部を読んだところで挫折宣言。
「夜のピクニック」 恩田陸 …映画もみました。
「タッチ」 あだち充
「ラフ」  あだち充
「バッテリーⅡ」 あさのあつこ
「友情」 武者小路実篤 …中学生のとき以来の再読です。
「こころ」 夏目漱石  …これも中学生の時以来の再読です。「友情」「ここ ろ」の世界を中学生に移して作品を創るつもりでしたが、途中でずいぶん方向性が変わってしまいました。

 ヤングアダルトと呼ばれている本をこれだけ読むと、さすがに食べ過ぎで胃もたれになりもしたが、胃もたれを通り過ぎたところで作品がつくれてよかった。
 森絵都の作品が多くなったのは、彼女の少年少女のとらえ方に共感したからに他ならない。特に「アーモンド入りチョコレートのワルツ」に収録されている「彼女のアリア」は今でも私の心をとらえて放さない。私はこの作品のラストで、小説を読みながら涙がこぼれてくるという、小説を読むという行為を通してはほとんど味わったことがない経験をした。正直、この作品を自分の手で劇にしたいという欲求が今でもある。しかし、著作権の関係でそれはできないであろうから、それと同質の感動がある、それでいて「彼女のアリア」とは全然違った作品を創ろうとした。当然そんなすごいことは簡単にできるはずはなく、創作中、私は「彼女のアリア」に何度も何度も嫉妬した。

 創作中、嫉妬せずにはいられない作品に出会えて本当によかった。

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