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2008年1月 2日 (水)

『春一番』~台本完成から初めての通しまで~

 台本を渡したのは12月24日の午前10時。部員全員が静まりかえった部室でそれを読む。私は、それを静かに、内心どきどきしながら眺めている。静かな静かなときが流れていく。

 読み始めてから15分くらいたったとき、部長の目から涙がこぼれ落ちた。その後は何度も何度も目をこすりながらページをめくっている。そして全部を読み終えた後、突然立ち上がり、私の前に歩いてきた。みんなが部長を見つめる。「先生、ありがとうございました」。彼女は深々と礼をしてそう言った。私はここで、「ありがとうはいつでもどこでも通じる魔法の言葉だ」なんていうことを、普遍の法則として提示する気などさらさらない。しかし、この瞬間、彼女の言葉は魔法の言葉となり、創作で感じてきた苦しみを取り去ってくれた。

 前回「青空」を創ったときも部員との間に同じようなシーンが存在した。しかし、彼女はそのとき小学生。そこにはいなかった。だから、嬉しい。2日後の12月26日は2007年最後の部活だった。そこで初めての通しを行った(前半部分は一週間前に渡していた)。台本を渡して二日後の通しである、スムーズに流れるはずはない。台詞は止まる、ワンシークエンスがそっくりなくなる、そんな通しであった。しかし、それぞれがそれぞれの役として舞台上で生きようとしていた。私には役として生きていると感じることができた。

 通しをみに来てくれた3年生の元部長の目からは涙がこぼれている。劇が終わり感想を言ってもらった。しかし、涙でなかなか感想が出てこない。その涙が心に響いた。よい劇になるかも。そんな気がした。

  誤解されないように一言。『春一番』は「泣け!泣け!」という劇ではありませんのでご安心を(誰が安心するの?)。

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