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2008年1月30日 (水)

『武満徹対談集』を読んで 長生きする劇について考える

 静かな音が好きだ。最近特に静かな世界に浸りたいと思う。そんな中で『武満徹対談集』(ちくま学芸文庫)を読んだ。

「騒々しいものよりは静かなものの方がちょっと長生きするんじゃないかと思う。それは、物理的な音量の上での静けさじゃなくて、自分と音との関わり方だと思いますね。非常に暴力的に鳴る音の中にどれだけ自分に必要な音を聴くかということかな。(中略)僕はたくさんの中から一つを聴くように努力したいと思うのです」

 心に響いてくる。静かな劇を創りたいと思う。プロの劇も、高校生の劇も、自分が関わっている中学生の劇も、騒々しいものが多い。私はその場その場を沸かせ、あっという間に記憶から忘れ去られてしまう作品よりは、何人かがずっとずっと大切にしてくれる作品が創りたいと考えている。長い歴史を顧みると騒々しいものよりは、静かなものの方がちょっと長生きするのではないかと思う。長生きということが、心に残るということを意味するのなら、自作が少しでも長生きすることを望む。

 今回の『春一番』は静かな劇にしたかった。笑いを一度も求めない劇を創りたかった。しかし、その試みを貫くことはできなかった。オープニングは笑いを求めた。劇が始まって15分後にも笑いに繋がる可能性があるシーンがある。ただ、それは放送部が行う放送の中でのこと。中盤から後半にかけては笑いは一度も起こらないはずだ。意図的に笑いをとることを目指した台詞は、中盤以降は存在しないはずだ。ラストシーンは静かに静かに流れて行く。しかし、その静けさの後ろにはたくさんの複雑な思いが隠されている。そんな騒々しい静けさを描いたつもりでいる。さて、新作『春一番』、どれくらい長生きをしてくれるだろうか。

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