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2008年1月 4日 (金)

七つ森という世界と「人間喜劇」

 バルザックはある作品の脇役が、別のある作品の主人公となるという「人物の再登場」という手法を用いて、作品相互を関連づけた。そして、それによって19世紀のフランスを描こうとしたという。彼はそのようにして構想された作品群を「人間喜劇」というシリーズにまとめた。

 七つ森は私の劇の舞台となる架空の場所である。ここ5年間のうちに創った、または再演した劇はすべてこの七つ森を舞台にした作品である(「ときめきよろめきフォトグラフ」「なっちゃんの夏」「青空」「降るような星空」そして新作「春一番」)。私は七つ森のシリーズをバルザックが構想した「人間喜劇」に連なる取り組みとして構築している。

 例えば『ときめきよろめきフォトグラフ』登場する福沢ゆき絵という人物。このドラマの中で彼女は定位置であった学年1番の座から転落するが、そのとき一番となったのが『降るような星空』の木谷みどりである。『ときめきよろめきフォトグラフ』『なっちゃんの夏』『青空』には松本という教師が登場する。私の構想では松本という教師は二人いて、二人は姉妹である。姉・洋子は『なっちゃんの夏』と『青空』に登場する私立七つ森女学院の教師(発表時では『なっちゃんの夏』の学校は共学なので今後変更する)。妹・由美子は『ときめきよろめきフォトグラフ』に登場する市立七つ森中学校の教師。私の作品を上演してくれた学校の生徒の多くは、この松本(通称マッチー)という教師を通して作品相互の関連に気がついてくれている。
 
 今回の『春一番』は『ときめきよろめきフォトグラフ』に繋がる作品である。『春一番』の主人公は『ときめきよろめきフォトグラフ』では脇役を演じている。『春一番』も『ときめきよろめきフォトグラフ』も独立した作品であるため(私は続編は創らない)、作品相互の繋がりを知らなくとも楽しめるはずだが、この繋がりを感じることで世界が少し広がり深まるとも思う。

 ということで興味がある方は、作品相互の繋がりを意識して七つ森シリーズに触れてみてください。

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