回顧2007 演劇4 宝塚花組・春野寿美礼
2007年の私の演劇体験で特筆すべき出来事、その最後に登場するのが宝塚歌劇団の観劇である。今まで私は宝塚的演技を嫌ってきた。そして、それは今も変わらない。中学生があこがれるのは理解できる。ただ、中学生の演劇の中で宝塚的表現が使われる時、私は違和感を覚える。宝塚的表現は中学生の身体に全くなじまないのだ。私の目指している演劇は、宝塚のそれとはベクトルが異なる。
そんな私が12月1日(土)はじめて宝塚を観劇した。花組トップ・春野寿美礼のサヨナラ公演「アデュー・マルセイユ」「ラブ・シンフォニー」である。正確に表現すれば宝塚を観に行ったのではなく、春野寿美礼を観に行ったのだ。劇場に入って一人では来られないと思った(あくまで私は)。男性客の少なかったこと…。そして、ファンのつくりだす独特な空気…。春野寿美礼の大ファンである妻が一緒でなければ観には行けなかった(妻は春野寿美礼の声を聴くと癒されるのだという)。
春野寿美礼という存在は宝塚という枠を超えた存在である。彼女の存在を知らない人も、昨年の世界陸上で「君が代」を歌った人といえば「あー、あの」という言葉が出てくるのではないだろうか。
彼女の魅力が最大限に発揮されたのは『エリザベート』だと思う。生舞台ではなくDVDで観たのだが、それでもその素晴らしさは十分伝わった。私はその中でも特に「闇が広がる」という曲が好きで、それが歌われるシーンを十回以上観ている。何度観ても素晴らしい。何度聴いても素晴らしい。指先にまで神経の行き渡った彼女の表現は、私が理想としている表現と共通する。退団前に、彼女の芝居と歌を生で味わうことができてよかった。
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