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2006年9月10日 (日)

溝口健二 没後五十周年に思うこと

9月9日(土)、THE DAILY YOMIURI誌のMOVIESのコーナーにAaron Gerowの「Retrospective gives Mizoguchi his due - at last」という記事が載った。
「回顧展がついに溝口健二監督に当然支払われるべきだったものをもたらす」ということである。そこに、溝口監督は当然支払われるべき正当な評価がなされてこなかったということが書かれていた。

私は大学4年の時、蓮實重彦教授の映画表現論を履修していた。溝口健二監督はその授業の中で、蓮實教授が取り上げた監督の一人である。その授業の中で私は溝口監督の名を初めて知った(それと同時に私が映画について何も知らないことを認識した)。蓮實教授は宿題として溝口健二監督の映画を観るという課題が出し、私は文芸座に『西鶴一代女』と『雨月物語』を観に行った。楽しい宿題であった。

THE DAIRY YOMIURIの記事に触発され、私は今日、DVDに録画してあった『山椒大夫』を観た。美しい映画であった。田中絹代の素晴らしさを形容する言葉が見つからない演技に心が熱くなった。原作とは違い、厨子王の母の目が最後の最後まで開かないことも、私には説得力のある結末と感じられた。
10年以上前に買ったまま本棚の片隅に置かれていた『溝口健二の人と芸術』(依田義賢・著 教養文庫)を引っ張り出して読んだ。溝口監督が脚本家の依田に投げかけた次のような言葉が心に残った。

「もっと、深く掘り下げていただくんですな。人間を描いてもらいたいんだよ。人間をぶったぎって、断面だけを、描くんじゃなしに、まるごとですよ、まるごとを描いてもらいたいんだな」

今の私の心に響く言葉だ。
溝口監督の映画についてもっと知りたいと思い、Amazonで検索してみたが、溝口監督の映画について書かれた本で買いたいと思うものは見つからなかった(というか彼の映画に出演した女優について書かれた本が一冊あるだけであった)。『溝口健二の人と芸術』は絶版となっていた。そしてマーケットプライスでなんと8000円の値段がついていた(ちなみに私が買ったときの値段は800円)。確かに溝口監督は正当な評価を受けていないようだ。

8月の終わりにNHK衛星第二で放送された溝口健二特集をすべて録画してあるので、時間を見つけてしばらくの間、彼の世界に浸ってみようかと思っている。

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