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2006年9月に作成された記事

2006年9月18日 (月)

自作『降るような星空』 韓国で上演予定

自作『降るような星空』の上演願いが韓国の大学から届いた。江陵大学日本学科の学生が上演するのだという。上演日は2006年11月23日と29日の2回。2回目の公演では観客のために韓国語の字幕がスクリーンに映し出されるそうだ。私の紡ぎ出した日本語が韓国語になるなんて…、幸せ感を伴った不思議な気分である。  

 私は妻からの影響で韓国のドラマを観るようになった。一部の熱狂的なおばさま達のような見方はしていないが、世間一般の男性達よりは韓国ドラマ通であると思う。ペ・ヨンジュンの生き方に俳優のあるべき姿を見てもいる。韓流ブームで日本と韓国の関係が一気に好転するのではないかと思っていたが、そう簡単なことではないようである。

 韓国に『降るような星空』を観に行きたいと思う。仕事の関係で韓国に劇を観に行くことは不可能だが、行きたいと思う。そして自作を上演する学生と話がしたい。

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2006年9月17日 (日)

ブラスト2:MIX( blast!)  稲垣正司の超絶技巧バトンに感動

東京国際フォーラムに『ブラスト2:MIX』を妻と二人で観に行った。
木管・金管・打楽器による音楽とバトントワリングを中心に構成されたパフォーマンスの見事な融合に何度か胸が熱くなった。特筆すべきは稲垣正司のバトンの妙技。世界バトントワリング選手権大会男子シニア部門で11年連続チャンピオンに輝き、22個もの金メダルを獲得した彼の神業がこのショーを支えているといっても過言ではない。
特に一部でのトランペットのソロで演奏される「くまんばちの飛行」と彼のバトンのコラボレーションはシルク・ド・ソレイユのサーカスと同質の感動を与えてくれた。

ショーを見終えての正直な思いを話すと、第二部は第一部以上の何かが見られると期待してしまったため、ショーが終わった後に「えっ、終わりなの」と感じている自分がいた。どんな素晴らしいパフォーマンスであってもバトンの技を中心に2時間魅せるのは苦しい。音楽の素晴らしさについては私は専門ではないので、批評できる立場にはないが、生演奏なのかそうでないかの区別がつかないほどの響きすぎの音は心には響いてこなかった。

ほめているのか、けなしているのかわからない感想を書いてしまったが、パフォーマンスの後、手が痛くなるほど拍手をしたのは何年かぶりである。

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2006年9月10日 (日)

溝口健二 没後五十周年に思うこと

9月9日(土)、THE DAILY YOMIURI誌のMOVIESのコーナーにAaron Gerowの「Retrospective gives Mizoguchi his due - at last」という記事が載った。
「回顧展がついに溝口健二監督に当然支払われるべきだったものをもたらす」ということである。そこに、溝口監督は当然支払われるべき正当な評価がなされてこなかったということが書かれていた。

私は大学4年の時、蓮實重彦教授の映画表現論を履修していた。溝口健二監督はその授業の中で、蓮實教授が取り上げた監督の一人である。その授業の中で私は溝口監督の名を初めて知った(それと同時に私が映画について何も知らないことを認識した)。蓮實教授は宿題として溝口健二監督の映画を観るという課題が出し、私は文芸座に『西鶴一代女』と『雨月物語』を観に行った。楽しい宿題であった。

THE DAIRY YOMIURIの記事に触発され、私は今日、DVDに録画してあった『山椒大夫』を観た。美しい映画であった。田中絹代の素晴らしさを形容する言葉が見つからない演技に心が熱くなった。原作とは違い、厨子王の母の目が最後の最後まで開かないことも、私には説得力のある結末と感じられた。
10年以上前に買ったまま本棚の片隅に置かれていた『溝口健二の人と芸術』(依田義賢・著 教養文庫)を引っ張り出して読んだ。溝口監督が脚本家の依田に投げかけた次のような言葉が心に残った。

「もっと、深く掘り下げていただくんですな。人間を描いてもらいたいんだよ。人間をぶったぎって、断面だけを、描くんじゃなしに、まるごとですよ、まるごとを描いてもらいたいんだな」

今の私の心に響く言葉だ。
溝口監督の映画についてもっと知りたいと思い、Amazonで検索してみたが、溝口監督の映画について書かれた本で買いたいと思うものは見つからなかった(というか彼の映画に出演した女優について書かれた本が一冊あるだけであった)。『溝口健二の人と芸術』は絶版となっていた。そしてマーケットプライスでなんと8000円の値段がついていた(ちなみに私が買ったときの値段は800円)。確かに溝口監督は正当な評価を受けていないようだ。

8月の終わりにNHK衛星第二で放送された溝口健二特集をすべて録画してあるので、時間を見つけてしばらくの間、彼の世界に浸ってみようかと思っている。

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2006年9月 5日 (火)

ブルーノ・ムナーリ展-アートとあそぼう-

 8月26日(土)に山形県米沢の上杉博物館でブルーノ・ムナーリ展をみた。
 ブルーノ・ムナーリは私が大学生の時に興味を持ったアーティストの一人である。彼の絵本『霧の中のサーカス』(理論社)は当時の私を魅了した。私は絶版になってしまったこの絵本をどうしても手に入れたく、あちこち探し回ってイタリア語版で手に入れたのだった。『暗い夜に』も私のお気に入りの絵本の一つである(こちらは今でも日本語版を手に入れることができる)。今年、読売新聞に彼が芸術について語った『ファンタジア』の書評が載った時には、それ本が欲しくて欲しくてたまらなくなりすぐに通信販売で購入した。大学生の頃、マジックに夢中だった私が彼の作品に惹かれたのは至極当たり前のことであった。彼の絵本にはさまざまな技巧が施されていたのだ。そう、私はそのマジックに魅了されたのだ。正直な話、現在の私にはその技巧はすこしうっとうしくもある。しかし、私は大学生の私をあれほど夢中にさせたものに再会したいと思った。そんな思いが私を彼の展覧会に向かわせたのだった。
 そして私は展覧会の会場で彼のこんな言葉に出会った。

「子どもたちは私たちの未来を担っているのだから、子どもに心を配ることは最も大切なことなのだ。だから、アーティストが自分の仕事だけにかまけていれば、社会的諸問題の解決に、なんら寄与していないことになる」

 私は教育者であると同時に芸術家でもありたいと思っている。私が今でも彼の芸術に惹かれる理由がわかったような気がした。

蛇足
彼の作品の中で1番気に入っているのは『木をかこう』である。この作品・小学二年生の国語の教科書でも取り上げられている。これを読むとだれでも木がうまく描けるようになる。『木をかこう』はそんな画期的な本である。

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