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2006年7月30日 (日)

「エルミタージュ美術館秘蔵 エミール・ガレとドーム兄弟」

日本ではまだ紹介されていないガレの作品が展示されるということで渋谷に「エルミタージュ美術館秘蔵 エミール・ガレとドーム兄弟」展を見に出掛ける。

展示の中に「ヒキガエルにトンボ文花器」という作品があった。飛び立つトンボとそれを見つめるヒキガエルが描かれている。ヒキガエルなどというどちらかというと嫌われ者で美という概念から遠いところに存在する生き物に隠された美を発見した、その眼差しに感銘を覚える。生き物全般を愛している私でさえ、ヒキガエルを見るとぞっとすることがある。しかし、そのヒキガエルがガレの手にかかると隠された美が顕在化し、芸術作品の中で命を与えられるのだ。

この作品にはさまざまな解釈があるようだ。解説書にはフィノップ・ティエボーの「(この作品は)飛び立つトンボが表す善と、トンボを追うヒキガエルに表現された悪の力の対立である」という解釈が説得力があるものとして紹介されていた。果たして、そうだろうか。
ボードレールの『悪の華』を愛し、生き物の世界を深い眼差しで見つめていたガレが捕食するものを悪、捕食されるものを善とするなどという凡庸なことを考えたであろうか。

ガレの眼差しは善と悪という二項対立を乗り越えた眼差しであり、そのような眼差しで生み出された芸術だからこそ、彼の作品は私を魅了し続けるのだと信じたい。

森に出掛けるのもよいが、ガレの作品を見に東京に行くのもよい。

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