『学力を育てる』(志水宏吉 著 岩波新書)を読了した。多くの教師が読むべき本だと感じた。
著者は学力の3つの要素を「学力の樹」というイメージを使って説明する。葉が「知識、理解、技能」、幹が「思考力、判断力、表現力、論理構成力」、根が「関心、意欲、態度」。そして「三つの学力が文字通り一体となって、ひとつの学力の樹を形づくっている」ことを説明していく。「学力の樹」は、学力とは何かをイメージする上で大変有効である。
教師は「太陽」とも「大地」ともなりうる存在である。「太陽」となって強い指導力を発揮し、子どもたちにさまざまな知識や技能を伝えることをしなければならない。それは「指導」という働きかけである。また「大地」となって、彼らと信頼関係を築き、彼らにチャレンジさせたりすることを通して、彼らの根っこや幹や枝を太らせようとしなければならない。それは「支援」である。
「教師は指導でなくて、支援をしなければならない」というような主張をする人が犯している間違いは、指導と支援を対立概念と捉えていることである。そして、そのような主張をする人たちが学力の樹を痩せさせている。志水氏が主張するように「指導」と「支援」は、どちらが重要というような対立物ではなく、相補的であるべきものである。
私が尊敬する大村はま先生が取り組んできたことが、志水氏が主張する「学力の樹」を育む教育なのだと感じた。葉と幹と根のどれが大切というのではなく、どれも大切にしていく姿勢。私は英語教育において、その有効な手だてをもう一度考え直してみたいと思う。
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