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2006年1月 9日 (月)

味覚と料理・感性と劇 ~ハワイ紀行1~

 年末にハワイを旅して、ハワイの食事風景に悲しみを覚えた。山盛りのフライドポテト、クリームをふんだんに使ったケーキ、スパイスのききすぎる味付け。イタリア料理、地中海料理、中華料理という料理の違いはあっても、どれもハワイのという枕がつく大味な料理なのである。

 長年ハワイに住んでいる日本人ガイドが次のようなことを語った。「ハワイで日本人にとって美味しい料理を探しても無駄です。ハワイの人たちにはそれを美味しいと感じる舌が存在しませんから」

 微妙な味の違いを感じるだけの味蕾が存在しなければ、そこでどんな素晴らしい料理、つまり味覚の器官を最高度まで働かせる必要のある料理を提供しても、そのよさが評価されることはないということだ。
北王子魯山人は孔子の次の言葉をたびたび引用する。

「人飲食せざるは莫()し、能()く味を知るもの鮮(すくな)きなり」

そして、料理を突き詰めていく魯山人は次のようなことを考える。

「美味しい料理は長年続けての習慣がつかなければ、美味しいとわかるものではない。(中略)食通といわれる人でも、種種の段階があるくらいだから、一般ではなおさらである。結局、これは書画の場合と同じように、分かる人のみに分かるのであろう」

 ハワイの料理に触れながら、私は演劇のことを考えていた。劇の微妙な味の違いを感じるだけの味覚が存在しなければ、そこでどんな素晴らしい劇、つまり味覚の器官を最高度まで働かせる必要のある料理を提供しても、そのよさが評価されることはないということである。

 よい味覚はよい料理を育てると同時に、よい料理がよい味覚を育てる。それ同様によい感性がよい劇を育てると同時に、よい劇がよい感性を育てると考えたい。科学が味覚は訓練することによって鍛えられることを証明している。昨日、書いたように、私はそれを秋刀魚料理のレベルで真剣に考えていきたいと思っている。

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