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2005年10月14日 (金)

『ハルとナツ』 静かで深い感動

ビデオで撮っておいた『ハルとナツ』を見終えた。今、静かで深い感動が私をとらえている。数多くのテレビドラマで持ち続けていた興味が最後の最後に裏切られ、萎れてしまうという経験は多々あったが、今回は、そのようなことがなかった。 

欠点もないわけではない。回想を中心に構成されるドラマにあるパラレプシス(語り手の記憶にはないはずのものが映像で現れる。例えば、ナツが出した手紙を伯母が盗み読みし、その中に入っていたお金を取ってしまうシーンなど。『タイタニック』などにも存在する)も存在する。しかし、パラレプシスがドラマの欠点以上にドラマに力を与えるものであれば、それは欠点とは言えないのではないかと私は思っている。私もパラレプシスの存在を理解しながらそれをあえて劇中に用いたことが何度かある。私はパラレプシスのようなウソがあってもそこにいかにリアリティーを保てるか、それが大切なのではないかと思う。 

さまざまな涙のシーンが素晴らしかった。
10月10日に書いたハルとナツの姉妹の別れのシーンでの絶叫が自然な絶叫となって心に迫る奇跡の演技。そしてナツが牛飼いの徳治の死に涙するシーンでの絶叫とは違った抑えに抑えた涙。ハルの結婚式でのハルの父・忠次のうめきで表される喜びの涙。
美しい音楽をバックに「さあ泣きなさい、さあ泣きなさい」という凡庸なドラマに必ず登場する押しつけの涙がなかった。

ハルとナツの子ども時代を演じた2人の子役の素晴らしさは先日書いたが、他の役者も素晴らしかった。とりわけ父役の村田雄浩の演技は出色。彼だけは脚本の蓮田壽賀子が指名したというが、それに十二分に応える演技であった。

見終わってからしばらくテーブルから離れることができなかった。涙がとまらなくて困った(隣で妻も見ていたので)。映画館の暗闇で素晴らしい映画を見終えたあと経験するあの感動があった。

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