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2005年10月11日 (火)

東京大学奇術愛好会第35回学外発表会「Magic meets Arts」

昨日、東京大学奇術愛好会第35回学外発表会「Magic meets Arts」を観に池袋豊島公会堂を訪れた。

先日、東京大学奇術愛好会のOBである私の教え子が「今年の発表会は演出陣に優秀な人材が揃い、自分も相談役としてアイディアを出し、極めて演劇的なショーが実現できそうなので是非来てほしい」と連絡してきた。彼は中学校卒業後現在に至るまで欠かさずといっていいほど毎回私たちの劇(中学生が演じる演劇)をみに来ている。そして、本人のいうところでは私たち中学生の劇から多くのことを学び、今回の作品にはその影響を垣間見ることができるのだという。胸がわくわくしてきた。久しぶりに学生時代の私が夢中で取り組んだマジックの世界に浸りたいとも思った。というわけで、ときめきを胸に発表会に足を運んだというわけだ。

ステージが終わる。夢中で拍手を送っている自分がいた。会場に響き渡る拍手の大きさから観客が十分満足していることが伝わってきた。

少女が豊島公会堂=美術館に迷い込み、観客がいる現実空間が虚構の世界に吸い込まれていくという趣向は、私の影響というよりシルク・ド・ソレイユの影響を強く感じたりもしたのだが、観る側と演じる側の壁が取り払われ、客席と舞台を一体化させるという構成は私がずっととり続けているスタンスであり、この作品の中に私の存在の一部が刻み込まれている可能性を思うと、私を全く知らない現役の学生にはまったく迷惑な話かもしれないが、少しうれしいような誇らしいような気持ちになり、私はこの美術館に迷い込んだ少女とともにArtとしてのマジックの展示品を堪能したのだった。

全体的な演出を通しマジックの発表会にマジック以外の多様な芸術的要素が盛り込まれるという制作者の頭脳の柔らかさに感心したりもした。というよりも彼らはマジックだけの知識から創られるマジックショーがいかに貧相なものになるかをすでに知っている。
私は若者たちのショーを楽しみながら学生時代を思い出していた。現在、日本の第一線のプロマジシャンとして活躍している藤山新太郎氏の後見を務め、時に自宅に寝泊まりもさせてもらいつつマジックを学んだこと。将来Mr.マリックとしてデビューすることになる松尾昭氏のもとにバイト料を持ち込み、頼み込んでマジックを教えてもらったこと。あの頃の私の熱い思いと同質の思いをこの日の舞台で感じることができた。

創造のエネルギーにあふれた若者との繋がりは大切にしなければならない。また影響を与えつつ与えられるという関係も大切にしたい。発表会会場で教え子を通して知り合った魅力的な若者たちと再会することができた。そして思った「いつまでも若者たちに影響を与えられるように、自らも学びを続けさらに深みを増していかなければならない」と。

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